編集長の独白

その3 市議会での与野党とは(4月7日号)

「私は率直に言って会派否定論者です。地方議会に会派はいらない。ご納得いただけないと思いますが。是々非々でやれ。一人ひとりが光る議会を目指せ」


 全国に先駆けて議会基本条例を制定した北海道栗山町で、条例づくりに携わった中尾修氏(元議会事務局長)の話しぶりは柔らかかったが、その内容は極めて刺激的で、「議会かくあるべし」という哲学がにじんでいた。

 

 市議会が主催した3月25日の議員研修会での話である。居並ぶ23人の市議たちが、中尾氏の言葉をどのように受け止めたかはわからないが、議会のあり方や関係を考えてきた(あるいは考えざるを得なかった)私にとっては、共感するところが多かった。

 

 先の言葉のあと、中尾氏はこう続けている。

 「いままでの議員の活動は、『議員活動』であり、『議会活動』ではなかった。スポーツで言えば、一人で『ナイスショット』と言いながら回るゴルフだった。なでしこジャパンのように議論というパスを回して、ゴールを目指す議会活動をすべきだ。議案、議案でチームは変わるかもしれない。首長提案に対して多数派と少数派に分かれても、首長支持派と不支持派で分かれるのは市民にとって非常に不幸だ」

 

 国政は議院内閣制だが、地方議会は違う。首長も議会も、それぞれ市民の代表者であり、市政運営をになう責任を持つ。それが二元代表制である。会派をつくり、国政のように与党、野党と分かれるのはおかしい――。中尾さんの話の趣旨をやや乱暴に要約するとこういうことになる。

 

 この主張に対して、その場で市議の一人から異論のニュアンスが感じられる質問が出た。

 「市長選挙になると議員、政党の推薦がついて回る。選挙の結果によって、与党、野党といういい方は当たらないかもしれないが、市長の施策に対して責任を持つ立場と、推薦しなかったので責任はない(立場)というのが当然出てくる。市長の施策に対して責任を持って対応すべきだろうと、そうでないという見方は出てくる。会派がない場合に、議会のなかでどううまくやるのか」

 これまでの市議会の実態を踏まえれば、当然の疑問である。

 

 中尾氏は迷いなく、こう答えた。

 「地方議員は(首長選挙には)何らかの形で関わらざるをえない。しかし、そのことによって是々非々を貫けない理由にはならない。どういう選挙になっても選挙が終われば『全員議会に戻れ』、です。人間関係や政党人としての政治の問題など、いろいろあってもやはり市民の目線で(市長の行政執行を)確認させてもらう。市長を推した議員はこうだ、ということを論ずるというようなことは議会では必要はないのではないか。市民のために是々非々でやっていただきたい」

 

 これからつくられる小金井市での議会基本条例の中身に、このような要素が盛り込まれるかどうかは定かではない。

 ただ、今、求められているのは、地方分権の時代にあって、市民が信頼するに足る議会への再生であることは疑いを入れない。

 そのためには議会と議員はどうあるべきなのか、議決責任をどう考えるべきなのか、行政を執行する首長側とどう向き合うのか――。

 こうしたことが議員ひとりひとりに問われている。そして、その問いは自分たちの代表を議会へと送り出す市民にも向けられているのではないだろうか。

 

 「議会は何をやっているんだ」という嘆きだけでは議会は変わらないし、変えることはできない。議会基本条例づくりを含む「議会改革」の進み方とありように、しっかりと目を凝らしたい。

 

 

 

編集長はこんな人

佐藤和雄(さとう・かずお)

1957年8月生まれ。獅子座。血液型はAB型。

朝日新聞社で政治部記者時代には、首相官邸、自民党、外務省、防衛庁、旧自治省などを担当。国連本部担当のニューヨーク特派員、政治部次長、大阪社会部次長、紙面委員などを務める。著作に「検証 日露首脳交渉」(岩波書店、駒木明義氏との共著)など。2011年4月27日から同年11月11日まで小金井市長。現在は「こがねい・市民のチカラ」共同代表。小金井に住んで約20年。 趣味は料理研究(焼き鳥、ベーグルづくりなどに一部で定評がある)など。

 

 11月8日(日)

  第73号の主な内容

(随時更新されます)

《市政の焦点》

■12月小金井市長選特集

☆白井とおる市議が立候補表明(2015年11月8日更新)

 

☆白井市議の立候補記者会見に40人以上の市民が参加(2015年11月8日更新)

 

☆4陣営の対決構図に 財政健全化への具体策が焦点(2015年11月8日更新)

 

≪酒好きのたわごと≫

その15 越後の酒と謙信(2015年10月17日更新)

  うれしいニュース!

 公益社団法人「全国学校図書館協議会」が発行している「としょかん通信」(中・高校生版)2015年6月号の《今月のブックトーク》に『まちの力 ひとの力 ――変える 試みる 小金井の人たち』がとりあげられました。

 1人でも多くの中学生、高校生にこの本を読んでもらえたら、と思います。感想文も送ってもらえると、とってもうれしいですね。

 以下にその部分を貼り付けました。筆者は、ほそえさちよさんという子どもの本の編集者だそうです。タイトルは、「生きるために つながる」。

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全体はこちらから
としょかん通信「今月のブックトーク」.pdf
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こがねいコンパスのインタビューシリーズ《変える 試みる 小金井の人たち》をまとめた本『まちの力 ひとの力』が図書出版クレインから刊行されています。ウェブ版では読めない、取材秘話などを明かす4本の「エピローグ」と、やまさき薫さんの素敵なイラスト付き。定価1500円+税です。市内の各書店でお買い求めください。クレインでも注文できます。

毎月第1・第3土曜日が定期発刊日です。こがねいコンパスは市民のための羅針盤を目指し、市民とともにつくる地域メディアです。ご意見・ご感想・情報提供などを、koganeicompass@gmail.comへおねがいします。

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脱原発社会への道筋を探る

民間の英知を結集して「脱原子力政策大綱」をまとめる「原子力市民委員会」の舩橋晴俊座長。

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*船橋晴俊さんは2014年8月15日、くも膜下出血で急逝されました。ご冥福をお祈りするとともに、船橋さんの思いを少しでも多くの方に知って頂きたいと願っています。(編集長・佐藤和雄)

 

「敗北」を語る

民主党小金井支部幹事長

村山秀貴さん

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イラクから問い続けてきたもの

映画監督・鎌仲ひとみさん

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