2013年3月16日更新

       第3回
      第3回

小学校の入学式で記念樹を配る事業

「縮小する方向で検討」 その理由は

小金井市が実施している684の事業を一つずつ市民の立場から「行政診断」してみようというシリーズの第3回は、子どもを持つ保護者にとってはなじみの深い「入学記念樹配布事業」。簡単に言えば、小学校に入学する子どもたちに記念樹をプレゼントし、「緑を守り育てることの大切さを知ってもらう」のを目的とした事業だ。小さな苗木をもらったご家庭は多いと思う。


小金井市の「2012年度行政評価結果」の報告書によれば、2011年度は事業費として62万円を予算に計上し、ギンバイカ(銀梅花)の苗木を778本配った。決算額では56万3745円。職員の人件費も加えると、149万8745円がかかった。ちなみに配られたギンバイカとはウィキペディアの説明によれば、フトモモ科の常緑低木。地中海沿岸原産で、花が結婚式などの飾りによく使われるので「祝いの木」ともいう。

 

 

ギンバイカ(ウィキペディアから)
ギンバイカ(ウィキペディアから)

市立の小学校に入学する児童には入学式当日に学校を通じて配られ、市立小学校以外に入学する児童には市役所の環境政策課の窓口で渡される(市役所に行かなければもらえない)。


子どもたちに「祝いの木」の苗木が渡され、「緑」を育てる大切さを経験から学んでもらう――。「緑に対する意識の啓発」を目的とした事業としては、よさそうだ。

 

しかし、記者の周辺では評判は分かれていた。「すぐに枯らしてしまった」「そもそも植えるところがない」「木よりも図書室の本を新しくしてほしい」という辛口から、「大きく育ち、子どもにとって良い記念になった」という肯定的評価まで。

 

では、事業を実施している担当の環境政策課はどう評価しているのだろう。実は、これは担当課が「課題・問題点がある」と認めている事業だ。「市民で行政診断」のシリーズを始めてまだたったの3回だが、初めてそうした事業にぶつかった。

 

担当課は次のように理由を述べている。「ヒアリング調査の結果、調査を実施したすべての市において本事業と同様の事業の実施実績がないか、もしくは事業をすでに廃止していた」。

 

「調査を実施したすべての市」が、どれだけの市に及ぶのかはわからないが、つまりは調べてみると、かつて同じようなことをやっていた自治体がもう止めていたことが分かった。だったら小金井市でもやらなくてもいいんじゃないのか・・・。ひらたく言うとそのような理由のようである。


担当課としては「活動実績や近隣市における実施状況を踏まえ、本事業を見直す方向で検討する」と述べ、今後の方針としては「縮小」を結論づけている。

 

◆横並びで良いのか

 

担当課がそうした結論に傾いた事情もなんとなく推察される。

 

小金井市議会では、ことあるごとに「多摩地域の26市の状況はどうか」「ほかの自治体の動向は?」という質問がぶつけられる。担当課としてみれば「よそでもほとんどがやっています」と言えればそれなりに説得力があるが、小金井だけとなれば市議会が納得するだけの「なぜこの事業をやる必要性があるのか」という理由を見出さなければならない。

 

つまり、行政も議会も事業がどのような効果をまちや市民にもたらしているかという難しい政策評価よりも、ともするとほかの自治体との比較に視線が向きがちなのだ。その方が簡単だというのも理由の一つだろう。

 

本来、事業を評価し、そこに込められていた政策目的を評価するためには、「この事業によって、子どもたちの意識がどこまで変わり、緑を守り育てることの大切さをどこまでわかったか」を、市教委などと連携して、きちんとアンケートなどで調べることではないか。

 

ギンバイカを配るのであれば、授業などで、ギンバイカにまつわる様々なエピソード、由来、物語を子どもたちが調べるようにしてはどうだろう。そうなれば、さらに「自分のギンバイカ」に愛着を増すだろう。

 

行政と議会に求められるのは、単純な「横並び」の発想ではない。

 

サービスの受け手となっている市民の側に立って、どのような効果があるのか、あるいは課題があるのかについて真剣に探ることだ。そこが明確に見えてこなければ、限られた財政を市民の納得を得ながら有効に使うことはできない。

 

さて、どのような検討が市役所内で行われたかは不明だが、新しい2013年度予算では入学記念樹配布事業はこれまで通りの予算額が認められ、62万円が計上されている。

 

事業を実施するのであるならば、役所の縦割りを破り、環境政策課と市教委の連携によって、子どもたちの意識空間で「小さな苗木=緑を大切に思う気持ち」が大きく育つようにしてほしいと願う。

《市民で行政診断してみよう!》プロジェクトとは


「危機的な財源不足と財政状況」に陥っているという小金井市。市役所の仕事は効率的に、効果的に行われているのだろうか。市が委託した民間調査機関による行政診断だけでなく、税金を払い、行政による公的サービスを実際に受けている私たち市民による評価も大切ではないのか。

 

 そんな問題意識に基づいて始めたプロジェクトが「市民で行政診断してみよう!」。 市がまとめた「平成24年度(2012年度)行政評価結果」を参考にして、市が実施している684のすべての事業を、市民の目で診断し、評価してみようというものだ。 行政評価の結果は、市の総合計画である「第4次基本構想・前期基本計画」がどのように実行されているかを点検するため、この計画の柱建てに沿って並べられている。私たちも、恣意的な行政診断にならないよう、この順序に沿って一つずつ点検する。  

 

「市民で行政診断してみよう!」へのご意見は、koganeicompass@gmail.com へメールでお願いします。 

 紙面でご紹介する際には「40代男性、会社員」などという表記にとどめますが、メールには新聞への投書の要領のように「ご住所、お名前、ご年齢、ご職業」をお書きください。なるべく偏りなくご意見を紹介したいと思いますが、個人への攻撃、誹謗中傷にあたるなどと編集部で判断したものは紹介を控えさせていただきます。 
  
 また、この企画は市役所の仕事を「一刀両断」にして、乱暴に切り捨てようというものではありません。市職員のみなさんのご意見、ご反論などがあればそれも紙面でご紹介したいと思います。ぜひご意見をお寄せください。 

 11月8日(日)

  第73号の主な内容

(随時更新されます)

《市政の焦点》

■12月小金井市長選特集

☆白井とおる市議が立候補表明(2015年11月8日更新)

 

☆白井市議の立候補記者会見に40人以上の市民が参加(2015年11月8日更新)

 

☆4陣営の対決構図に 財政健全化への具体策が焦点(2015年11月8日更新)

 

≪酒好きのたわごと≫

その15 越後の酒と謙信(2015年10月17日更新)

  うれしいニュース!

 公益社団法人「全国学校図書館協議会」が発行している「としょかん通信」(中・高校生版)2015年6月号の《今月のブックトーク》に『まちの力 ひとの力 ――変える 試みる 小金井の人たち』がとりあげられました。

 1人でも多くの中学生、高校生にこの本を読んでもらえたら、と思います。感想文も送ってもらえると、とってもうれしいですね。

 以下にその部分を貼り付けました。筆者は、ほそえさちよさんという子どもの本の編集者だそうです。タイトルは、「生きるために つながる」。

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全体はこちらから
としょかん通信「今月のブックトーク」.pdf
PDFファイル 5.3 MB

こがねいコンパスのインタビューシリーズ《変える 試みる 小金井の人たち》をまとめた本『まちの力 ひとの力』が図書出版クレインから刊行されています。ウェブ版では読めない、取材秘話などを明かす4本の「エピローグ」と、やまさき薫さんの素敵なイラスト付き。定価1500円+税です。市内の各書店でお買い求めください。クレインでも注文できます。

毎月第1・第3土曜日が定期発刊日です。こがねいコンパスは市民のための羅針盤を目指し、市民とともにつくる地域メディアです。ご意見・ご感想・情報提供などを、koganeicompass@gmail.comへおねがいします。

詳しくはイベントカレンダーのページをご覧ください。こちらから。

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 この人に聞く

脱原発社会への道筋を探る

民間の英知を結集して「脱原子力政策大綱」をまとめる「原子力市民委員会」の舩橋晴俊座長。

前編はこちらから。

後編はこちらから。

*船橋晴俊さんは2014年8月15日、くも膜下出血で急逝されました。ご冥福をお祈りするとともに、船橋さんの思いを少しでも多くの方に知って頂きたいと願っています。(編集長・佐藤和雄)

 

「敗北」を語る

民主党小金井支部幹事長

村山秀貴さん

前編はこちら

後編はこちら

 

イラクから問い続けてきたもの

映画監督・鎌仲ひとみさん

こちらから

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