2013年8月26日更新

学童保育の民間委託 市役所労使が合意

組合は一部の直営維持を要求


 小金井市の稲葉孝彦市長と、市役所職員でつくる小金井市職員組合(執行委員長・森田和弘)は、市が運営してきた学童保育所について、東京都独自の「都型学童クラブ」制度を利用するため、民間に委託することで合意し、8月22日付けで覚書を交わした。ただ、組合側はすべての学童保育所の民間委託は「到底受け入れられない」とし、一部を引き続き直営で運営するよう求めている。覚書は、具体的な運営方式について、保護者もメンバーとなっている学童保育所運営協議会での「意見も踏まえつつ、別途、労使で協議する」と述べており、どの程度の学童保育所を直営で維持するかなどをめぐって協議が続けられることになる。

 

 職員組合が発行している8月23日付けの機関紙「おはよう」が覚書を掲載し、合意内容を伝えた。記事には、「学童都型事業を公民問わず実施で大筋合意 今後は、直営・委託のベストミックスの協議へ」との見出しが付けられている。

 

 小金井市では、学童保育所は小学校9校の近隣に1施設ずつ計9施設が設置され、保護者が仕事などで昼間家庭にいない世帯の1年生から3年生(障がい児は4年生まで)が対象。学童保育所に通う子どもたちは2006年度609人(障がいのある児童は11人)から2013年度726人(同21人)と、急増している。

 

 「おはよう」の記事によれば、市当局と職員組合は、学童保育所をめぐり(1)保育時間の延長(2)障害のある児童の入所拡充、の2点が特に解決しなくてはならない課題との認識で一致。

 

 組合側は、直営を前提とした対案を準備してきたが、「課題を解決するための人員・予算を生みだすこととなるため、十分な人員配置に応えられるものとはならず、交渉の中で、全部直営の対案を断念した」という。

 

 一方、当局側は、東京都が2010年度から実施している「都型学童クラブ」制度を適用することを提示。この制度は、平日は午後7時以降まで、学校が休みの日は午前8時から午後7時以降まで開所している学童クラブ(保育所)に対し、東京都独自の補助金を出すというもの。対象となる運営主体は株式会社、特定非営利活動法人、社会福祉法人などの民間に限られ、区市町村は除かれている。このため小金井市で「都型学童クラブ」制度の適用を受けるためには、運営を直営から民間委託に移行させる必要がある。

 

 小金井市としては、この制度を利用して、2015年(平成27年)4月から新しい運営方法を始める方針。対象となる学童保育所や具体的な業務内容を確定し、来年9月の市議会定例会に学童保育所条例の改正案を提出するスケジュールを描いている。

 

 小金井市が運営してきた学童保育所は、児童や保護者からの評価が極めて高く、関係者の間では「小金井市が誇ることのできる財産の一つ」と言われてきた。このため「民間委託によって保育の質が低下するのではないか」という不安や懸念が保護者には根強い。今後は、そうした不安が払しょくできるような、委託後の青写真を示すことができるかどうかが焦点となりそうだ。

 

(市長と職員組合が交わした覚書)
(市長と職員組合が交わした覚書)

2013年8月3日更新

(「小金井市学童保育所 保育内容」から)
(「小金井市学童保育所 保育内容」から)

学童保育所の「総合的な見直し」

財政厳しく 民間委託も選択肢に

市議会に報告 保護者側は反発

 

 小金井市は、市が運営している学童保育所について「量的拡充および質の維持・向上を図る必要があるが、現状でも学童保育業務に要する経費は増加する一方であり、現状の職員体制による対応は困難」として、民間への委託を含めた「総合的な見直し」を実施し、2015年(平成27年)4月から新しい運営方法を始める方針だ。すでに職員団体との協議は6月から始めており、労使合意が整えば、対象となる学童保育所や具体的な業務内容を確定し、来年9月の市議会定例会に学童保育所条例の改正案を提出する運びだ。

(厚生文教委員会に提出された資料から)
(厚生文教委員会に提出された資料から)


 8月1日に開かれた市議会厚生文教委員会で川村久恵・子ども家庭部長らが報告した。学童保育所は小学校9校の近隣に1施設ずつ計9施設が設置され、保護者が仕事などで昼間家庭にいない世帯の1年生から3年生(障がい児は4年生まで)が対象。学童保育所に通う子どもたちは2006年度609人(障がいのある児童は11人)から2013年度726人(同21人)と、急増している。
 
 東京都は、利用時間の延長などを求める利用者の要望に応え、「都型学童クラブ」制度を2010年度から実施している。平日は午後7時以降まで、学校が休みの日は午前8時から午後7時以降まで開所している学童クラブ(保育所)に対し、東京都独自の補助金を出すというもの。

 

 ただし、運営主体は株式会社、特定非営利活動法人、社会福祉法人などの民間で、区市町村は除かれている。このため小金井市で「都型学童クラブ」制度の適用を受けるためには、運営を民間に委託する必要がある。

 

 現在、小金井市の学童保育所は平日は放課後の午後6時まで、休みの日は試行的に午前8時半から午後6時までとなっている。

 

 子ども家庭部の高橋茂夫・児童青少年課長は1日の厚生文教委員会で「(利用時間の)延長が必要だと明確に考えており、職員団体に提案している」と説明した。

 

 厚生文教委員会には、民間委託による「都型学童クラブ」へ移行した場合の財政効果の試算の資料が提出された。それによるとすべての学童保育所が都型学童クラブに移行した場合には、1億626万円の補助金増加額が見込めるという。また、「都型学童クラブ」で児童数90人(障がい児6人)で午後7時まで開所した場合、歳出から歳入を除いた経費は1043万円。直営で運営した場合に比べ、約742万円少なくなっている。

(提出資料から。クリックすると拡大します)
(提出資料から。クリックすると拡大します)
(提出資料から。クリックすると拡大します)
(提出資料から。クリックすると拡大します)


 資料には「スケジュール(案)」も示されており、7月には「労使合意」と記されているが、高橋課長は「まだ合意には至っていない」と述べた。

 

 市当局は6月11日に職員団体に「総合的な見直し」を提示した後、6月27日には利用者(保護者)がメンバーに入っている学童保育所運営協議会でも同じ内容を示した。

 運営協議会での議論について、川村部長は「運営協議会は市の『要領』で設置したもの。委託の是非を決定する場ではない。(協議会の)位置づけについて双方の理解が得られず、協議には至っていない」と答弁。保護者側の反発によって、具体的な業務内容などの議論に入っていない状態を説明した。

 

 関係者によれば6月の運営協議会で保護者側が「市側が作成した資料には都型学童クラブへの移行、民間委託について良いことしか書いていない。デメリットが書かれていないので出してほしい」と求めたが、7月の運営協議会では提示されなかった。

 

 保護者側は、小学校給食調理の民間委託が労使合意を受けて保護者への十分な説明なく進んだことに不信感を持っていることもあり、7月の会議は平行線に終わったという。

 

 学童保育所の民間委託は2010年度に市当局が保護者らに説明したが、「委託に反対ありきではないが、保育の質をどう確保するのかがはっきりしない」などといった強い反発を受けて白紙に戻った経緯がある。

 

 川村部長は「平成22年度の経過とは明らかに違う。運営協議会には職員団体に提案したその後に説明している。(労使での)大筋合意をみて、運営協議会の意見を尊重して進めたいと伝えている。協議会で協議してもらうよう努力したい」と述べた。

 

 小金井市のホームページに掲載された5月27日の学童保育所運営協議会の会議録によれば、市側は「市長からは第3次行財政改革大綱の事業項目である保育園・児童館・学童保育の見直しをするという指示は出ている」と述べている。学童保育所のほか、保育園と児童館についても民間委託を進める指示が出ていることを説明したものだが、1日の厚生文教委員会では保育園と児童館の見直しについては報告されていない。

 11月8日(日)

  第73号の主な内容

(随時更新されます)

《市政の焦点》

■12月小金井市長選特集

☆白井とおる市議が立候補表明(2015年11月8日更新)

 

☆白井市議の立候補記者会見に40人以上の市民が参加(2015年11月8日更新)

 

☆4陣営の対決構図に 財政健全化への具体策が焦点(2015年11月8日更新)

 

≪酒好きのたわごと≫

その15 越後の酒と謙信(2015年10月17日更新)

  うれしいニュース!

 公益社団法人「全国学校図書館協議会」が発行している「としょかん通信」(中・高校生版)2015年6月号の《今月のブックトーク》に『まちの力 ひとの力 ――変える 試みる 小金井の人たち』がとりあげられました。

 1人でも多くの中学生、高校生にこの本を読んでもらえたら、と思います。感想文も送ってもらえると、とってもうれしいですね。

 以下にその部分を貼り付けました。筆者は、ほそえさちよさんという子どもの本の編集者だそうです。タイトルは、「生きるために つながる」。

写真をクリックすると大きくなります
写真をクリックすると大きくなります
全体はこちらから
としょかん通信「今月のブックトーク」.pdf
PDFファイル 5.3 MB

こがねいコンパスのインタビューシリーズ《変える 試みる 小金井の人たち》をまとめた本『まちの力 ひとの力』が図書出版クレインから刊行されています。ウェブ版では読めない、取材秘話などを明かす4本の「エピローグ」と、やまさき薫さんの素敵なイラスト付き。定価1500円+税です。市内の各書店でお買い求めください。クレインでも注文できます。

毎月第1・第3土曜日が定期発刊日です。こがねいコンパスは市民のための羅針盤を目指し、市民とともにつくる地域メディアです。ご意見・ご感想・情報提供などを、koganeicompass@gmail.comへおねがいします。

詳しくはイベントカレンダーのページをご覧ください。こちらから。

詳しくはイベントカレンダーのページをご覧ください。こちらから

小金井市のイベント情報は、小金井市地域情報サイトのさきナビでも見ることができます。バナーをクリックしてください。

 この人に聞く

脱原発社会への道筋を探る

民間の英知を結集して「脱原子力政策大綱」をまとめる「原子力市民委員会」の舩橋晴俊座長。

前編はこちらから。

後編はこちらから。

*船橋晴俊さんは2014年8月15日、くも膜下出血で急逝されました。ご冥福をお祈りするとともに、船橋さんの思いを少しでも多くの方に知って頂きたいと願っています。(編集長・佐藤和雄)

 

「敗北」を語る

民主党小金井支部幹事長

村山秀貴さん

前編はこちら

後編はこちら

 

イラクから問い続けてきたもの

映画監督・鎌仲ひとみさん

こちらから

メルマガ登録をどうぞ!

「こがねいコンパス」からのメルマガをご希望の方は以下にメールアドレスをご入力ください。新しい「市政フラッシュ」の掲載や、次号の主な内容などについてご連絡します。

コンパスは「羅針盤」です!

 

 『こがねいコンパス』は、小金井市政や小金井の人たちが関心をもつテーマを分かりやすくお伝えするインターネット新聞です。市民団体「こがねいコンパス編集部」が発刊しています。

 

 『コンパス』は、羅針盤を意味します。辞書によれば原義は「ともに歩くこと」です。市民が市政をより深く理解するための一助となり、よりよい小金井市政のあり方を考えるときの羅針盤でありたい。市民のみなさんと一緒に歩んでいきたい。そんな思いを込めています。

 

 

 ご連絡は koganeicompass@gmail.com まで。