2013年6月1日更新
稲葉孝彦市長は5月27日、市議会6月定例会への議案を送付した。一般会計の補正予算は1億7500万円の歳出を追加し、そのために財政調整基金から9000万円を繰り入れる。2学期から小学校5校で実施する予定の給食調理の民間委託のために、7795万円を計上した。民間委託問題をめぐっては、武蔵野市のように一般財団の設立によってより安定的な運営方式にするようを求める声や、市教委側の説明への不満の声が保護者の中から上がっており、6月3日から26日までの定例会の最大の焦点となっている。
小金井市の小学校の給食は、市内9校がそれぞれ調理場を持ち、給食を提供している。今回の委託は9校のうち5校の調理業務を民間業者に委ねるもの。残りの4校は当面は市職員による直営方式を継続するが、小金井市教委は「5校委託・4校直営」をいつまで続けるかは明らかにしていない。
一方、隣の国分寺市も小学校の給食調理の民間委託を今年度から始めた。10校のうち今年度は1校、1年おいて2015年度に2校追加し、2016年度にさらに2校追加する。残りの5校については、5校の委託状況などを踏まえて改めて判断するという、スケジュールを明確に示している。
また、「アウトソーシング実施計画に基づく小学校給食調理業務委託スケジュール」という年間計画を策定。これに基づき市議会では文教委員会と予算特別委員会で計5回にわたって報告や関連予算の審議をしてきた。
小金井市は4月12日の労使合意から1か月後に市民・保護者への説明会。市議会への報告・審議は、6月定例会での1回限りにも関わらず、9校のうち半数を超える5校で委託する。こうした性急なやり方も6月定例会では問われることとなりそうだ。
小金井市の小学校給食経費は、当初予算では備品購入費などの5081万円。調理業務委託の補正が認められれば1億2876万円となる。すでに5校すべてで調理業務を委託している中学校の学校給食経費は当初予算で1億3929万円。いずれも職員の人件費は含まれていない。