2013年1月19日更新

市民で行政診断してみよう!

まずは本庁舎の「緑のカーテン」から

     第1回
     第1回

 「危機的な財源不足と財政状況」に陥っているという小金井市は今年度(2012年度)、市役所の仕事や組織が効率的、効果的に実施・運営されているかどうかを全面的に調べる「行政診断調査」を520万円で民間調査機関(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社)に委託した。調査結果は、2014年度以降の予算づくりや今後の行政改革に反映される見通しだ。


 だが、市役所の仕事を全面的に見直そうという時に、民間調査機関による行政診断だけを頼りに判断してよいのだろうか。外部の専門家による行政診断は必要だろう。それと同時に、税金を払い、行政による公的サービスを実際に受けている私たち市民による評価も大切ではないのか。

 

 こがねいコンパス編集部はこうした問題意識に基づき、新しいプロジェクト「市民で行政診断してみよう!」を始めることにした。市役所がやっている施策・事業の一つひとつを編集部がまず点検してみて、それに対して寄せられた読者=市民のみなさんのご意見を紙面で紹介し、市民みんなで今の市役所の仕事を見つめ直し、考えてみようという企画だ。

 

◆市役所の内部評価=「行政評価」

 

 市役所の仕事を点検するにあたって基礎的なデータにしようとしているのは、昨年(2012年)12月10日に市のホームページで公表された「平成24年度行政評価結果」だ。

 

 小金井市は前年度に実施した施策・事業を役所の内部で評価する「行政評価」を2005年度から本格実施している。その目的には(1)行政活動の質の向上(2)事業の効率化や無駄な事務事業の改善と廃止による効率的な財政運営(3)市民に対しての説明責任(4)基本構想など総合計画の実効性確保(5)職員の意識改革と能力向上、の5つがあるとされている。

 

 これまでは市の事業の一部を対象に、市役所内部で第1次から第3次の評価まで実施してきたが、今年度は民間調査機関が実施する行政診断調査の参考資料にするため、前年度の2011年度に市が実施した684事業すべてについて「第1次評価」をした。この第1次評価というのは、事業を実施している所管課による自己評価。つまり、やっている当事者が自分の仕事を評価したものである。

 

 「市民で行政診断してみよう!」は、この行政評価を参考にしながら、684のすべての事業を市民の目で診断し、評価してみようというプロジェクトだ。

 

 市の行政評価の結果は、総合計画である「第4次基本構想・前期基本計画」がどのように実行されているかを点検するため、この計画の柱建てに沿って並べられている。私たちも、恣意的な行政診断にならないよう、この順序に沿って一つずつ点検することにする。

 

 初めてとなる今回は「みどりあふれる快適で人にやさしいまち」という大きなテーマの中にある、「みどりに対する意識の啓発」のために実施されている3つの事業のうちの最初の1つを見てみたい。

 

◆本庁舎の「緑のカーテン」に208万円! 

 

 事業名は「本庁舎壁面緑化事業」。分かりやすく言えば、本庁舎の玄関あたりにヘチマなどでつくった「緑のカーテン」のこと。事業の目的は、地球温暖化防止などのために「緑のカーテン」が有効であることを市民に知ってもらい、広めようというものらしい。

 

 本庁舎の屋上までヘチマが伸びて行き、大きな緑の葉を風に揺らす。それを目にした市民に「緑のカーテンって良いものだな。家でもやってみようかな」という気を起こさせるかもしれない。また、「緑を大切にする小金井市」というメッセージを発信することにもなるだろう。事業の趣旨や目的に異論を唱えるつもりはない。ただ・・・。

 

 事業費の欄を見て、記者は思わず「ええっ」という声を上げてしまった。123万3750円である。事業に必要な市職員の労働時間から計算した人件費85万円も含めると208万3750円。ホームセンターでネットとゴーヤの苗を買い求め、家庭で「緑のカーテン」をつくる費用と恐らくは各段に違っているはずだ。

 

 なぜ、こんなにおカネがかかるのか。

 市役所はその年度にどんな仕事をしたかを課ごとに報告する「事務報告書」を毎年つくっている。それによると、123万3750円の内訳は、工事(ネットの取り付けと思われる)に40万9500円、「緑のカーテン」の維持管理委託に82万4250円とある。

 

 普通の市民感覚からすればずいぶん高価と思われる本庁舎の「緑のカーテン」。

 だが、担当課の評価は、この事業の課題・問題点はなく、見直しを行う必要もない、というものだ。したがって新年度(2013年度)予算編成でも「現状のまま」要求するという方針が示されている。

 

 事業の継続は必要かもしれない。しかし、「財政危機」というのであれば、もっと安くて済む方法を探ってほしいと思う。

 

 また、「緑のカーテン」の啓発と普及が目的であれば、市民の意識と行動がどのように変わったのかという「事業効果」を調べる必要はないのだろうか。事業効果がものすごくあれば、高価な「緑のカーテン」も意義は小さくないかもしれない。しかし、その効果が分からず、「屋上まで緑のカーテンを成長させた」という事業結果だけでは、政策としての評価を判断しようがない。

 

松戸市のホームページから
松戸市のホームページから

 さらに言えば、千葉県松戸市のように、役所ばかりではなく市民も巻き込んで市全体で「緑のカーテンコンテスト」をやってみてはどうだろう。


 松戸市のホームページによれば、2011年度は、家庭部門、店舗・事業所部門、学校部門、公共施設部門の4つの部門で138件、2012年度は4部門で85件の応募があったという。

 

 ホームページでは、入賞した素晴らしい「緑のカーテン」の写真がいくつも紹介されており、市は「入賞作品をご覧いただき、来年は皆さんもご家庭や職場で緑のカーテン作りに取り組んでみてはいかがでしょうか」と呼びかけている。

 

 こちらの方が、市民の「緑のカーテン」に対する意識を高め、行動につながるような気がするのだが、読者のみなさんはどうお考えでしょう?

 

本庁舎の「緑のカーテン」に対する行政評価はこのファイルをクリックするとご覧できます。
A01-01001-1 本庁舎壁面緑化事業.pdf
Adobe Acrobat ドキュメント 143.4 KB

「市民で行政診断してみよう!」へのご意見は、koganeicompass@gmail.com へメールでお願いします。


 紙面でご紹介する際には「40代男性、会社員」などという表記にとどめますが、メールには新聞への投書の要領のように「ご住所、お名前、ご年齢、ご職業」をお書きください。なるべく偏りなくご意見を紹介したいと思いますが、個人への攻撃、誹謗中傷にあたるなどと編集部で判断したものは紹介を控えさせていただきます。

 

 また、この企画は市役所の仕事を「一刀両断」にして、乱暴に切り捨てようというものではありません。市職員のみなさんのご意見、ご反論などがあればそれも紙面でご紹介したいと思います。ぜひご意見をお寄せください。

 

 11月8日(日)

  第73号の主な内容

(随時更新されます)

《市政の焦点》

■12月小金井市長選特集

☆白井とおる市議が立候補表明(2015年11月8日更新)

 

☆白井市議の立候補記者会見に40人以上の市民が参加(2015年11月8日更新)

 

☆4陣営の対決構図に 財政健全化への具体策が焦点(2015年11月8日更新)

 

≪酒好きのたわごと≫

その15 越後の酒と謙信(2015年10月17日更新)

  うれしいニュース!

 公益社団法人「全国学校図書館協議会」が発行している「としょかん通信」(中・高校生版)2015年6月号の《今月のブックトーク》に『まちの力 ひとの力 ――変える 試みる 小金井の人たち』がとりあげられました。

 1人でも多くの中学生、高校生にこの本を読んでもらえたら、と思います。感想文も送ってもらえると、とってもうれしいですね。

 以下にその部分を貼り付けました。筆者は、ほそえさちよさんという子どもの本の編集者だそうです。タイトルは、「生きるために つながる」。

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全体はこちらから
としょかん通信「今月のブックトーク」.pdf
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こがねいコンパスのインタビューシリーズ《変える 試みる 小金井の人たち》をまとめた本『まちの力 ひとの力』が図書出版クレインから刊行されています。ウェブ版では読めない、取材秘話などを明かす4本の「エピローグ」と、やまさき薫さんの素敵なイラスト付き。定価1500円+税です。市内の各書店でお買い求めください。クレインでも注文できます。

毎月第1・第3土曜日が定期発刊日です。こがねいコンパスは市民のための羅針盤を目指し、市民とともにつくる地域メディアです。ご意見・ご感想・情報提供などを、koganeicompass@gmail.comへおねがいします。

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 この人に聞く

脱原発社会への道筋を探る

民間の英知を結集して「脱原子力政策大綱」をまとめる「原子力市民委員会」の舩橋晴俊座長。

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*船橋晴俊さんは2014年8月15日、くも膜下出血で急逝されました。ご冥福をお祈りするとともに、船橋さんの思いを少しでも多くの方に知って頂きたいと願っています。(編集長・佐藤和雄)

 

「敗北」を語る

民主党小金井支部幹事長

村山秀貴さん

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後編はこちら

 

イラクから問い続けてきたもの

映画監督・鎌仲ひとみさん

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