変える 試みる 小金井の人たち file8-2

東日本大震災復興応援小金井プロジェクト協議会会長 今井啓一郎さん

 『スタンプラリーで夜の商店街をはしご酒!!』

 

 月が美しい宵に、そぞろ歩きを誘うようなイベントが「こがねい十五夜場留(じゅうごや・ばる)」。


 小金井市民にもっと地元のお店を知ってもらおう、足を運んでもらおうという狙いで、昨年9月に始まった。

 

 主催は小金井市商店会連合会(商連)。仲間たちとともに企画し、汗を流したのが、商連会長の今井さん。知恵を絞って地域を盛り上げようとする様々な試みの背景には切実な危機感があった。(連続インタビューの後編です。)

 

 

――商店会連合会(商連)の活動に携わるきっかけは? 

 もともと東小金井駅北口の商店会長を5年やりました。その前から東小金井の北口、南口の両方の商店会に入り、役員になっていたのですが、商店会長になってから会長の集まりがあるというのを初めて知りました。当時は「商店会運営協議会」という名前でした。

 

 そこに参加して1期3年を経た後の2期目だったと思いますが、新しい会長を決める時、私がみなさんから推薦を頂き、会長になりました。

 

 私は、「商店会運営協議会」という名前の意味が良く分からなかったし、人にも伝えにくいと感じていました。そこで「名前を変えよう」と提案して今の名前になったのです。

 だから「商店会連合会」となってまだ2年ぐらいしかたっていません。

 

 市内に17の商店会があるのですが、元気のある商店会もあれば、名前だけを残して親睦会のようなものになっているところもあります。

 

 元気のあるところは自分のところでイベントをやったりするのですが、そうでないところは人もいないという事情もありますので、連合会でイベントを考えるとか、ちょっと仕掛けてあげるというのも変ですが、提案をしています。自前でできないところの応援もできればと考えて、やっています。

 

 商連会長になった当時、会費がすごく低くて、何のイベントもできないような状態でした。一軒あたり何十円というぐらい。だから、少しだけ値上げさせてもらいました。

 

 その会費をもとに「タネ銭」ができれば、東京都の「新・元気をだせ!商店街事業」の補助を受けることができます。昨年9月にやった「十五夜場留(じゅうごや・ばる)」が、連合会としてやった本格的なイベントとしては初めてです。このイベントは全市にまたがることができるので、広い範囲で催しができるわけです。

 

――昨年の「十五夜場留」には市内の飲食店を中心に30店舗が参加しています。夕方5時以降に参加店で食べたり飲んだり、お買い物をしたりすると1000円でスタンプ1つがもらえ、5個集まったら1等1万円から5等500円までの商品券が抽選であたるというものでした。「スタンプラリーで夜の商店街をはしご酒!」がキャッチフレーズですね。やってみてどうでしたか? 

 

 いままでやったことのない形のイベントでしたので、参加店の募集をかけた時にこれまで申し込んできたことがなかった人が出てきました。新しい参加店が出てきた一方で、初めての取り組みで「不完全燃焼」のところもありました。今年もやるのですが、そのへんをちょっと修正しながら、もう少し完成形にしたい。

 

 いままでそこに店があるのは知っていて、ちょっと気になるけどどんなところか分からないので、店に入る踏ん切りがつかないということってありますよね。


 これに参加していれば、「場留メニュー」という、決まった金額のメニューがつくってありますので、とりあえず安心して店にはいってもらえることができます。

 

 気にいれば、ずっと飲んでいたり、また来ればいいし、とにかく1回は来てもらおう。そういう狙いです。去年は参加店が30店でしたが、今年は60店を目標に参加を募っています。

 

(昨年のリーフレットから)
(昨年のリーフレットから)

――このイベントのアイデアはどこから? 

 私はもともと「ネオン街スタンプラリー」をやろうと思っていたんです。飲み歩きイベントですよね。なぜかと言うと、市内でみんながおカネを使っているのは「飲み代」が多いと思うのです。その割には飲み屋さんはイベントをやってもいつも対象外になってしまうので、飲み屋さんを対象にやろうといって進めていたんです。

 

 ところが「ネオン街スタンプラリー」という名前に対して、「新・元気をだせ商店街補助」を申請した東京都から「だめよ」と言われました。業種を限定するタイトルは駄目という理由です。

 

 「どうしよう?」とみんなで話したところ、スペインでは、いつでも立ち寄れ、まちの社交場として利用されている酒場や食堂、カフェなどをバル(Bar)と呼んでいるという。じゃあそれにしよう、と決まりました。

 

 「十五夜場留」に参加するためには3000円の参加費が必要ですが、そのほとんどが織り込みチラシやリーフレットづくりに消えます。だから店側にとっては3000円でこれだけ宣伝できるというメリットがあります。

 

――このイベントをやろうと考えられたのは、このままだと商店街が沈んでいくという危機感からですか。 

 そうですね。とにかく市内でおカネをつかってもらう機会を増やしていかなければどうにもならない。

 物販は正直言って同じものがこっちとあっちでは値段が違うというのはどうしようもない。大きいところ(店)には勝つのは簡単ではありません。

 

 しかし、飲食については大きなところと勝負できるのです。かと言って飲食だけにしぼりすぎるといろいろ問題も出るので、イベントには物販も参加できる形にはしています。

 

 東小金井駅の南口を見てもらえば分かる通り、この南口商店街が生き残るためには飲食しかないと思っています。

 

 とにかく面白い店、美味しい店、変わった店。そうした飲食店をいっぱいそろえて、小金井市外から食べに、飲みに来てくれるまちにする。飲食店が盛り上がれば、それに必要な店は必ず出てきます。例えば八百屋さんとか。

 

 今は何となくいろんなものをそろえようとしているから無理がある。なんとか一本突き抜ければ、それに必要なものがついてくる、と考えています。

 

――そうした考え方は商店会で共有されているのですか? 

 少なくとも役員は当然考えています。ただ、やはり商店会は全体を考えなければならないので、商店会として特化するということはなかなか口に出しにくいと思います。

 

――いや、はっきり口に出していますよね(笑) 

 私は口に出しています。もう、(口に出すとか出さないとか)そんなこと言ってられないと思っています。

 

――東小金井駅南口は小金井市の産業振興プランで、活性化のモデル事業を実施することになっています。どのようなモデル事業が考えられているのですか? 

 メインの通りをお買いもの時間帯に歩行者天国にするということを目指しています。それが一つ。

 

 さらに「とちのき公園」という小さな公園があるのですが、そこをコミュニティ広場的につくり直し、人が集う場所にしたいと考えています。その中にはプラスして防災機能とか井戸を掘るとかの計画もありますが、とにかく人が集まる場所にしたいわけです。

 

――歩行者天国はまだ始まっていないのですね。 

 そうです。毎日、同じ時間帯で車の通行を止めるためには社会実験をしてデータをとって、警察の許可を取って、というように非常にハードルが高いのです。

 

 イベント的に車の通行を止めるのはもう何回もやっているので、単発ではできるのですが、毎日となるとこれからいろんなことを了解をとっていかなくてはいけません。来年度にはスタートしたいと考えています。

 

――歩行者天国は何時から何時まで?

  恐らくあまり長くやると迷惑になる部分もでてくると思います。人の流れを考えると朝夕が圧倒的に多い。小金井に帰ってきた人に歩いてもらい、買い物をしてもらうのは、午後5時から午後7時までとか、午後4時から午後7時までとか。終わりを午後7時までにはしたいですね。

 

――安心して、のんびりと道を歩いてもらいたいわけですね。

  そうです。不思議なもので、人は車が通らない細い道へと歩いていきます。車を通らない時間帯をつくれば、まず歩いてもらえる。歩いてもらえばそのうち買い物でもしてくれるのではないか。まず歩いてもらって、あとはそれぞれのお店の努力という部分もありますよね。

 

――ところで市の産業振興プランづくりなど、市の各種の審議会に委員として参加してきました。その一つに「市民協働のあり方等検討委員会」もありますが、これにはなぜ?

  私は自分でも偏った考えが強い人間だと思っています。市内の商売のことばっかりになりがちなので、なかなか一般の人と知り合ったり、意見交換したりする場に参加できていませんでした。

 

 「市民協働のありかた」については自分としては絶対に参加しない委員会だな、と思っていましたが、そこには自分が知らない面白い人がいるんじゃないかということと、今まで自分がやってきたことに「市民協働」に当てはまるケースがいっぱいあったからです。

 

――「議論よりもまずは行動を」というタイプだというのは良く分かりましたが、小さいころからそんな性格だったのですか? 

 分かりませんねえ(笑い)。子ども時代は、あまり一つのことを、例えばサッカーだけをやるというタイプではなく、いろんなスポーツをやっていました。まあ、元気は良かったと思います。元気が良すぎたかな。

 

 

 

――緑小、緑中のご出身ですが、中学ではどんな部活を? 

 バドミントンです。

 

――強かったのですか? 

 いや、楽そうに見えたので(笑い)。高校は応援団に入りました。ただ、2年で退学しましたが。

 

――それはまたなぜ?

  うーん、なぜですかね。退学までは無遅刻、無欠席だったのですが、どうも私は「体制」に歯向かう性格なんだと思います。非常に厳しい軍隊的な学校でした。それへの反発があったのですね。

 

――その後、いくつかお仕事を経て現在の工務店の会社を始められたわけですね。 

 会社を始めたのが平成8年(1996年)ですから、もう十何年になります。その前は看板屋に勤め、その前はスナックでバーテンをやっていました。

 

――バーテンダーの仕事は、現在の何かに生かされていますか?

 いや、思い切り生かされています。私の根本はそこにあります。要は、人の接し方とか、「人というのはこういうものだ」ということを全部そこで教わりました。19歳から3年間やっていましたが、今の自分の基本は、そのスナックにあります。(終わり)

(2012年9月1日号)

 

今井啓一郎(いまい・けいいちろう)さんのプロフィール
 1966年(昭和41年)2月生まれ。3人男兄弟の一番上。

 小金井市商店会連合会会長、小金井市商工会理事(個店活性化委員長)、NPOカッセKOGANEI副代表という要職を務める。

 工務店「スタート」と不動産会社「I・K・Oプランニング」の代表取締役。

 趣味は?と聞くと、迷いなく「地域活動」と一言。貫井南町在住。

 

 11月8日(日)

  第73号の主な内容

(随時更新されます)

《市政の焦点》

■12月小金井市長選特集

☆白井とおる市議が立候補表明(2015年11月8日更新)

 

☆白井市議の立候補記者会見に40人以上の市民が参加(2015年11月8日更新)

 

☆4陣営の対決構図に 財政健全化への具体策が焦点(2015年11月8日更新)

 

≪酒好きのたわごと≫

その15 越後の酒と謙信(2015年10月17日更新)

  うれしいニュース!

 公益社団法人「全国学校図書館協議会」が発行している「としょかん通信」(中・高校生版)2015年6月号の《今月のブックトーク》に『まちの力 ひとの力 ――変える 試みる 小金井の人たち』がとりあげられました。

 1人でも多くの中学生、高校生にこの本を読んでもらえたら、と思います。感想文も送ってもらえると、とってもうれしいですね。

 以下にその部分を貼り付けました。筆者は、ほそえさちよさんという子どもの本の編集者だそうです。タイトルは、「生きるために つながる」。

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全体はこちらから
としょかん通信「今月のブックトーク」.pdf
PDFファイル 5.3 MB

こがねいコンパスのインタビューシリーズ《変える 試みる 小金井の人たち》をまとめた本『まちの力 ひとの力』が図書出版クレインから刊行されています。ウェブ版では読めない、取材秘話などを明かす4本の「エピローグ」と、やまさき薫さんの素敵なイラスト付き。定価1500円+税です。市内の各書店でお買い求めください。クレインでも注文できます。

毎月第1・第3土曜日が定期発刊日です。こがねいコンパスは市民のための羅針盤を目指し、市民とともにつくる地域メディアです。ご意見・ご感想・情報提供などを、koganeicompass@gmail.comへおねがいします。

詳しくはイベントカレンダーのページをご覧ください。こちらから。

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小金井市のイベント情報は、小金井市地域情報サイトのさきナビでも見ることができます。バナーをクリックしてください。

 この人に聞く

脱原発社会への道筋を探る

民間の英知を結集して「脱原子力政策大綱」をまとめる「原子力市民委員会」の舩橋晴俊座長。

前編はこちらから。

後編はこちらから。

*船橋晴俊さんは2014年8月15日、くも膜下出血で急逝されました。ご冥福をお祈りするとともに、船橋さんの思いを少しでも多くの方に知って頂きたいと願っています。(編集長・佐藤和雄)

 

「敗北」を語る

民主党小金井支部幹事長

村山秀貴さん

前編はこちら

後編はこちら

 

イラクから問い続けてきたもの

映画監督・鎌仲ひとみさん

こちらから

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 『こがねいコンパス』は、小金井市政や小金井の人たちが関心をもつテーマを分かりやすくお伝えするインターネット新聞です。市民団体「こがねいコンパス編集部」が発刊しています。

 

 『コンパス』は、羅針盤を意味します。辞書によれば原義は「ともに歩くこと」です。市民が市政をより深く理解するための一助となり、よりよい小金井市政のあり方を考えるときの羅針盤でありたい。市民のみなさんと一緒に歩んでいきたい。そんな思いを込めています。

 

 

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