変える 試みる 小金井の人たち  file32-1

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観光キャラバン「モダン劇場コガネ座」の座長にして

『コガネイ寄り道ホリディ』の作詞・作曲・歌手の《マスター木村》こと木村秀穂(きむら・ひでお)さん(前編)

 

 「初めて来るのに なんか懐かしい」「近所のふるさと また遊びに来よう」―-。

 今、小金井市内のあちこちでこの歌が聞こえてくる。9月にYoutubeで公開されて以来、静かに、それでいて確かな反響を引き起こしている『コガネイ寄り道ホリディ』。

 

 作詞・作曲し、ギターを弾いて歌う「マスター木村」こと木村秀穂さんは、観光キャラバン「モダン劇場コガネ座」の座長であり、大阪弁をまくしたてる即興紙芝居の演者でもある。一体、何者なん?


(マスター木村のコンサート風景。レインボー・アフロヘアがトレードマークだ。保育園児もびっくり=愛の園保育園で)
(マスター木村のコンサート風景。レインボー・アフロヘアがトレードマークだ。保育園児もびっくり=愛の園保育園で)


――『コガネイ寄り道ホリディ』はどのような経緯で誕生したのですか?


小金井市の魅力を伝える「観光キャラバン」というイベントが9月12日と13日に上野駅でありました。小金井市経済課が主催し、JR中央ラインモールが企画・運営したものです。


ラインモールの担当者(木内晴菜さん)とは少し前からの知り合いだったのですが、彼女が企画を考える段階で「小金井市には面白い人がいっぱいいるから、そうした人たちをご当地キャラにし、一座の出しものというスタイルにしては」と提案してきたのですね。「マスターには座長をやってもらい、できればテーマソングもつくってね」と言われ、つくったのが『コガネイ寄り道ホリディ』です。


――いつごろからそんな話が持ち上がったですか?


今年の4月ごろかな。毎月、企画のための会議はありましたが、自分は締め切りが近づかないと体が動かないタイプなので、歌を創り出したのは8月のお盆休みのころでしたね。


テーマとしては、「上野でやるので、西に向かって中央線に乗り、小金井で降りてみたら面白かった、みたいな感じの歌だったらいいですけど」と木内さんに言われていたので、そのまんまの歌い出しで始まる歌にしてしまいました。


――JR中央ラインモールの木内さんとはどのような形でお知り合いに


初めて会ったのは、シャトー2fでの「せんきょCAMP こがねい」(注)というイベントですね。僕、木内さん、市議の白井亨さんの3人が「トークゲスト」として出演して知り合ったというわけです。


(注:「せんきょCAMP」とは、主催したHaTiDORi(ハチドリ)代表の工藤瑞穂さんの説明によれば、「『政治が身近になる対話の場』です。『他人ごと』になりがちな政治や社会づくりを『自分ごと』にするために、 参加者が『自分のつくりたい社会』について気軽にオープンに話し合う場」という。)

(シャトー2fでの「せんきょCAMPこがねい」。マイクを握っているのが木村さん:工藤瑞穂さん作成のフェイスブックから)
(シャトー2fでの「せんきょCAMPこがねい」。マイクを握っているのが木村さん:工藤瑞穂さん作成のフェイスブックから)


その時に僕が大阪弁紙芝居とかやったり、シャトー2fで色んなイベントをやって面白い人が来てたりしたので、彼女がすごく興味をもってくれたんですね。


それで小金井市から観光キャラバンの話があった時に、彼女がすぐに僕のところに相談に来たのです。


――それで観光キャラバンをになうパフォーマンス集団「モダン劇場コガネ座」の誕生につながっていくのですか。


そうです。


――なぜ上野駅だったんでしょう?


そこは分からないですね。僕らも「なんで上野なんでしょう」なんて言いながら、パフォーマンスをやっていました(笑い)。恐らくは上野駅の構内に、各地から来て観光案内をするスペースがあったからではないでしょうか。


――コガネ座には、江戸東京野菜など小金井の農産品の魅力を伝えるコンビ「金ちゃん&誠ちゃん」もいますね。農業者の高橋金一さんと井上誠一さんとは以前からお知り合いだったのですか?


いいえ。江戸東京野菜をつくっていらっしゃる農家の人たちが小金井にいることは知っていましたが、面識はまったくありませんでした。


コガネ座の打ち合わせで初めてお会いしたのですが、あの2人は普通の打ち合わせをしていてもすでに漫才をやっているような感じなんです。このキャラは面白いと思いましたね。


(上野駅での「モダン劇場コガネ座」によるパフォーマンス=コガネ座のフェイスブックから)
(上野駅での「モダン劇場コガネ座」によるパフォーマンス=コガネ座のフェイスブックから)
(コガネ座のチラシから)
(コガネ座のチラシから)

――「金ちゃん&誠ちゃん」はどんなパフォーマンスを?


その時の旬の野菜をネタにして、漫才チックに紹介する野菜エンターティメントです。


――コガネ座の2回目のパフォーマンスが11月1日、2日に東小金井駅でありました。


あれは、完全に中央ラインモールさんによる「ヒガコ街なかマルシェ」でのイベントです。音楽が基本のイベントでしたが、音楽だけでもつまらないので、最初のコガネ座に出ていない人や関心をもってくれそうな人に声をかけて出演してもらいました。


――さて、『コガネイ寄り道ホリディ』について聞きたいのですが、どんなコンセプトでつくったのですか? 魅力的な場所や魅力的な人がてんこもりで紹介されている、という感じですよね。


4分20秒の歌ですが、最初に考え込んで作った時にはもっと長かったんです。いろんな固有名詞、人の名前がいっぱい入っていました。それこそ、高橋金一さんやドッグデコの池田さん前掛けの西村さんとか。


一回、それでレコーディングしたのですが、「うん? これはつめこみ過ぎてるな。小金井を知らん人にはわからんな」と思い、固有名詞をすべてなくし、短くして、すっきりさせました。


4分20秒という長さですが、歌詞カードに載っているところまでは2分ぐらい。その後は、「コガネイ」という掛け合いをうけながら、僕が色んな遊びで歌っているんですね。にもかかわらず、ここまでてんこもり感があるというのは、結果的には良いことかなと思っています。


歌っていうのは最近では1番、2番、サビ、3番、4番、サビという構成が多いのですが、この歌は1番、サビだけ。あとは小金井を歩きながら、テンポよく進んでいくという内容になっています。


(さまざまな場所や人を)脈絡なく並べているようで、一応、道筋は北口へ出て小金井公園まで行き、その後でCOCOバスに乗って南側、野川へ行ってという流れになっています。


――なるほど。


小金井生まれ・育ちのカミさんには「北側のネタが少ないよ」と言われてしまいました。仕方ありません、自分が南側で遊んでいることの方が多いので。


――最初のパートにある「扉ひらいて」という部分のメロディーが印象的ですね


聞いている人たちが、何となく映像が思い浮かぶようにつくろうと考えていました。ガタンゴトンと電車に揺られ、小金井に近づくほどに空気がスローになっていく――。


「扉ひらいて」というのは、電車のドアが開くという意味と、小金井への扉が開くという二つの意味を持たせています。そこで降りて、一歩踏み出すところから「散歩」が始まるのです。


だから「扉ひらいて 空気ゆるい感じで行こう」のところは、わざとゆっくりとしたメロディーにしてあります。


――北側の情景、南側の情景、そして様々な「面白い人」「変な人」がいる。そうした構成になっていますね。


そうですね。僕が一番言いたかったのは、それぞれのまちは住んでいる人にとっては「住めば都」だと思うのです。何かの魅力があるのです。小金井はそれが緑であり、水であり、低い建物であり、落ち着いた雰囲気だと思います。


ただ、重要なのは・・・僕が(小金井に住む前に)想像していたよりも小金井には、はるかにオモロイ人がいるということです。いろんなイベントが週末ごとに行われ、熱心に地域発信をしている人がとっても多い。そういう人たちは際立ったキャラと一芸を持っている。そんな人がいっぱいいるまち。それが一番言いたかったですね。


もともと関西人だから、小金井を礼賛ばっかりするつもりもありません。自分がクールな目でみたところ、一番面白いと思ったのは「コガネイにいる人たちのキャラ」でした。



(これがウワサの『コガネイ寄り道ホリディ』のミュージックビデオ。まだの方はぜひクリックしてご覧ください。ビデオの作成者は2014年『魅せる小金井! 学生プロモーションビデオコンテスト』で最優秀賞を獲得した法政大の学生さんだそうです。)

 

 

――最後に出てくる『不思議 ヘンなひと コガネイ 集まる ヘンな街』『ともだち 知り合い コガネイ どんどん増える街』という歌詞がそれを表していますね。


最初から「素晴らしいまち」とか「素敵なまち」という言葉を歌詞につかうつもりはありませんでした。僕は、「素敵」「素晴らしい」「綺麗」とは人の目によってそれぞれに異なるものだと思っています。


こういう歌は、かなりつくりこんでも化けの皮がはがれやすいんですよね。だから、自分にとってリアルな歌にしようと考え、自分が感じたものを表現する。そこに今回は徹底しました。それが「面白く、不思議な人たちがいっぱいいるまち」だったのです。


(続く)


木村秀穂(きむら・ひでお)さんのプロフィール

1966年10月生まれ。大阪の3大商店街の一つ、千林(せんばやし)商店街がある大阪市旭区で生まれ育つ。この商店街は価格競争の激しさから「日本一安い商店街」とも呼ばれていた。立命館大学を中退し、ミュージシャンに。


1989年、ロックバンド「チキンダンサーズ」のギタリストとしてテイチクよりメジャーデビュー。その後、「SEVENDAYS」、「シェイディードールズ」、「監獄ロック」などを経て、2006年からは謎の近未来ブルースバンド「スマートソウルコネクション」のギタリストとして活動中。


その一方、2012年から地域密着パフォーマーとして、小金井市を中心に街イベントや保育園、幼稚園などで出張ライヴを多数こなす。昔話や童話をその時々で自在にストーリーを変えてしまうアドリブ大阪弁紙芝居は絶品。子どものみならず大人にも大人気。また、武蔵小金井駅南口のカフェ&ギャラリー「シャトー2F」では現在、BARマスターを担当。月例イベント「あんぽん祭り」などを企画、自らも出演している。趣味は特撮映画とノンフィクション、プロレス。2001年から小金井へ。東町に4人家族で在住。


 11月8日(日)

  第73号の主な内容

(随時更新されます)

《市政の焦点》

■12月小金井市長選特集

☆白井とおる市議が立候補表明(2015年11月8日更新)

 

☆白井市議の立候補記者会見に40人以上の市民が参加(2015年11月8日更新)

 

☆4陣営の対決構図に 財政健全化への具体策が焦点(2015年11月8日更新)

 

≪酒好きのたわごと≫

その15 越後の酒と謙信(2015年10月17日更新)

  うれしいニュース!

 公益社団法人「全国学校図書館協議会」が発行している「としょかん通信」(中・高校生版)2015年6月号の《今月のブックトーク》に『まちの力 ひとの力 ――変える 試みる 小金井の人たち』がとりあげられました。

 1人でも多くの中学生、高校生にこの本を読んでもらえたら、と思います。感想文も送ってもらえると、とってもうれしいですね。

 以下にその部分を貼り付けました。筆者は、ほそえさちよさんという子どもの本の編集者だそうです。タイトルは、「生きるために つながる」。

写真をクリックすると大きくなります
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全体はこちらから
としょかん通信「今月のブックトーク」.pdf
PDFファイル 5.3 MB

こがねいコンパスのインタビューシリーズ《変える 試みる 小金井の人たち》をまとめた本『まちの力 ひとの力』が図書出版クレインから刊行されています。ウェブ版では読めない、取材秘話などを明かす4本の「エピローグ」と、やまさき薫さんの素敵なイラスト付き。定価1500円+税です。市内の各書店でお買い求めください。クレインでも注文できます。

毎月第1・第3土曜日が定期発刊日です。こがねいコンパスは市民のための羅針盤を目指し、市民とともにつくる地域メディアです。ご意見・ご感想・情報提供などを、koganeicompass@gmail.comへおねがいします。

詳しくはイベントカレンダーのページをご覧ください。こちらから。

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小金井市のイベント情報は、小金井市地域情報サイトのさきナビでも見ることができます。バナーをクリックしてください。

 この人に聞く

脱原発社会への道筋を探る

民間の英知を結集して「脱原子力政策大綱」をまとめる「原子力市民委員会」の舩橋晴俊座長。

前編はこちらから。

後編はこちらから。

*船橋晴俊さんは2014年8月15日、くも膜下出血で急逝されました。ご冥福をお祈りするとともに、船橋さんの思いを少しでも多くの方に知って頂きたいと願っています。(編集長・佐藤和雄)

 

「敗北」を語る

民主党小金井支部幹事長

村山秀貴さん

前編はこちら

後編はこちら

 

イラクから問い続けてきたもの

映画監督・鎌仲ひとみさん

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