変える 試みる 小金井の人たち file11

file11 「こがねいロケよび隊」隊長 田村秀美さん

 映画やドラマなどの作品を通じて、小金井市の良さを伝え、このまちへ誘い、さらに地域を豊かにする――。そんな目的で昨年(2011年)夏から活動を始めたのが「こがねいロケよび隊」。普通の市民たちの手弁当での新しい試みはどこから始まり、どこへ向かうのか。隊長への直撃インタビュー!

 

――こがねいロケよび隊(略称「こがロケ」)はどんな目的で、どんな活動を?

 

 小金井にはとても良い景色がたくさんあります。住んでいる人は自分の身の回りの景色は良く知っているのですが、市内でも少し離れたところは知らないし、まして小金井の外の人には(良い景色が)ほとんど知られていないんじゃないかという気がしていました。

 

 それは一緒に始めたメンバーもみんな共通してもっている気持ちです。一人ひとりが好きな風景がこんなにあるのですから、それをもっと共有して外に発信していきたい。

 

 それをやるには、やはり映像でテレビとかで放送されるのが、いろんな人の目に入りやすい。そういうロケ自体をやっていることで市民も楽しい、盛り上がる――。そんなことを目的にして、ロケの誘致をゆくゆくは進めていきたいと思っています。

 

――こがロケは、(2012年)3月に市民活動まつりでデビューされ、今回(2012年10月8日)の「『小金井が好きだ。』CM&ポスター写真コンテスト」というイベントをやりましたね。

 

 本当にイベントと言えるのは、「小金井が好きだ。」が初めてですね。市民活動まつりは活動を紹介する展示だけでしたから。

 

ポスターコンテスト
ポスターコンテスト

――田村さんご自身が、こがロケに参加するきっかけとなったのは?

 

 小金井市が主催する「つくっていこう!協働事業(仮称)ロケーションサービス」のワークショップが始まったのが2010年11月でした。

 

 私は最初、ワークショップの存在は知らなかったのですが、市報に「ワークショップの3回目で立川市と日野市のフィルムコミッションに視察にいきますよ。興味のある人はどうぞ」という内容の小さな告知が出ていたのを見つけ、それで参加したのです。

 

 もともとフィルムコミッションには興味がありました。小金井にはないのかな、と思っていたところにその告知を見つけたので、それに加わってみようと。

 

《注》フィルムコミッション(FC: Film Commission) 映像発信による地域への効果に着目し、テレビ・映画・CMなど映像作品の撮影の舞台を地域に誘致する組織のこと。

 

――なぜフィルムコミッションに興味を?

 

 単純に映画やドラマが好きだからですかね。フィルムコミッションという存在を知ったのが、時代劇が好きで、見ていると日本では何か所しか撮影場所がないことに気づいたんですね。

 

 エンドロールで毎回出てくるフィルムコミッションというのが茨城とかなんです。さらに茨城県つくばみらい市にある、時代劇専門のロケ施設「ワープステーション江戸」に行くと、エキストラが地元の人で、江戸時代の通行人の役をやっているというのも知り、すごくうらやましいなあと思って。

 

《注》エンドロール 映画やドラマの終幕に俳優やスタッフ、制作協力者の名前が流れること。


――ほう、時代劇ですか。話が少し脱線しますが、田村さんのおススメの時代劇は?

 

 NHK金曜時代劇で放映された高橋英樹さん主演の「慶次郎縁側日記」ですね。ここからものすごく時代劇にはまりました。あとは大河ドラマですね。「竜馬伝」とか。時代劇ではありませんが「タイムスクープハンター」も良いですね。

 

――話をワークショップに戻しますと、3回目の立川と日野のフィルムコミッション視察の後はずっと参加したのですか?

 

 はい。ずっと出ました。そこからは皆勤賞ですね。参加率が高いから「隊長」になったのかな、と思います。

 

――今、こがロケには10人ぐらいのメンバーがいると聞いていますが、どんな方が?

 

 30代から40代が中心で、男女比は半々です。仕事は普通の会社員や、市内のNPO「ひ・ろ・こらぼ」の方。「ひ・ろ・こらぼ」の方はワークショップのコーディネーター役だったのですが、終わったあとも自発的に興味のある方が残ってくれました。

 

 日頃はフルタイムで働いている人が多いので、通常打合せは月に1回、平日の夜8時からという感じです。イベント前は集中的に集まりますが。

 

――初めてやった「『小金井が好きだ。』CM&ポスター写真コンテスト」の展示・表彰イベントはどうでした?

 

 もっと開かれた感じにしたかったのですが、なかなか・・・。予想していたよりも、少し人を集めるという点では力が足らなかったと思いました。

 

 ただ、内向きにはメンバーの結束とか、何ができるかという把握、役割とかはこの準備を通してすごくはっきりしたので、それはとても良かった。

 

――また来年も?

 

 まったく同じ形は考えていません。ここからさらに「CMづくり講座」とかを考えています。でも、ロケーションに相応しい場所の情報集めを兼ねて、またこういうものをやるかもしれませんが。これから振り返りをして、もう一度話し合っていきます。

 

――ワークショップが終わった後、小金井市役所はどのような関わりをしているのですか。

 

 「協働」を担当している市民部のコミュニティ文化課が行政との「橋渡し役」をしてくれています。個人的にうちの隊員としてやっていた人もいますが、その方が異動されてからは、関わりが少なくなっていますね。本当はもっと一緒にやっていきたいのですが、こちらの実績がないので、なかなか向こうの協力を得づらい。人と時間をかけられない、みたいですね。


――行政からの補助金は出ていない?

 

 はい。今回のイベントでは、社会福祉協議会の「さくらファンド」で助成金をもらいました。

 

――最終的にはロケーションサービス事業、つまりフィルムコミッションになるのが目標だと思うのですが、そのための課題とは?

 

 もっと人が必要ですね。実際やるとしたら週5日の態勢で、映像制作会社からの問い合わせを受けたり、撮影場所での立ち会いとかいろいろな仕事が求められます。そうなると専従の人が必要になりますが、そこはメドが立っていません。事務所もありませんし。

 

 あとはネットワーク。今回のイベントを通じて、映像作家さんとか監督さんとかと知り合うことができたのですが、こういう感じでもっとテレビとか映像制作の関係者と知り合う必要があると感じています。

 

――なかなか人的関係がないと映像関係者が目を向けてくれないということでしょうか?

 

 でも市への問い合わせは多いみたいです。実は今日(*)午前中、テレビCFの撮影場所を探す問い合わせが市役所の経済課にありました。今回のイベントで経済課さんにも挨拶をしていたので、経済課からこちらに連絡をくれて、うちの方で希望に合うところを紹介することになっています。(*このインタビューは2012年10月9日でした)

 

 ほんの数日前にもドラマのロケ場所の問い合わせがありました。それは、こがロケのホームページをたまたま見てのことのようですが、すでに情報は提供しました。これからそれで脚本家にプレゼンするらしいです。

 

 だから問い合わせはどんどん来ています。団体ができて、名前を色んなところに載せたり、お知らせしたりするなかで、今まで(市役所が)断っていたものが、「対応できますか?」と来るのです。

 

――「こがねいロケよび隊」という名前だから、すでにロケーションサービスをやっていると受け止められているのですかね?

 

 そうでしょう。

 

――うれしいような、大変なような?

 

 やっぱり、すごくうれしいです。みんなも「キタ―!」という感じです。うまく行けば、ドラマは来年の1月に放映することが決まっているそうなので、初めてエンドロールに(こがロケの)団体名がでるかもしれない・・・? というのでわくわくしています。そういうのが出れば、もっと人も興味をもってくれるだろうなあ。

 

――北九州市のように行政がフィルムコミッションをやっていると、人的体制、予算、住民の説得などでやりやすい面があるような気もしますが?

 

 立川市もそうですね。市がフィルムコミッション事業に力を入れてやっています。小金井市では、都立の公園ではロケができますが、市立の公園はそういう規定がないので、まったく使えないということを聞きました。公園の利用者の妨げになってしまう、という考えでしょうか。

 

――市全体として積極的に取り組むには?

 

 何かロケの実績をつくって、「こんなに反響がありましたよ」とか「こんなに市にとって良いことがありますよ」というのを見せて、市の方も一緒に動いてもらえるようになりたいです。実績をみせないとたぶん、難しいでしょう。

 

――ところで小金井にはどのようなきっかけからお住まいに?

 

 通っていた大学が三鷹にありました。就職して独身時代は千葉の借り上げ寮に住んでいたのですが、そこを出ることになった時に、やはり大学時代に住んでいた周辺が良いと思い、まずは吉祥寺や三鷹を探しました。

 

 ところが家賃が会社が認める上限額を超えていてダメ。中央線以外の物件も見ましたが、小金井は武蔵小金井駅の南口を出た時に「うわあ、空が広いなあ」と感じました。物件を見る前にそこで決めたところがあります。

 

 結婚後も、わたしの希望で小金井に住み続けています。今は、緑町で庭付きの古い平屋を借りています。庭を耕して畑にしようと思ったのですが、思うように野菜が育たなくて苦労しているんですよ(笑)。

(終わり)

 

こがねいコンパス17号(2012年11月17日更新)

田村秀美(たむら・ひでみ)さんのプロフィール

 1972年3月生まれ。淡路島出身。2003年から小金井市へ。大手飲料メーカー勤務を経て、現在は市内の書店で働く。タウン情報誌「多摩ら・び」52号小金井特集の市民レポーターを務めたことも。趣味はガーデニングと読書。BBC制作のドラマ『シャーロック』に触発され、最近はシャーロック・ホームズのシリーズを読みなおしている。緑町2丁目在住。

 

 11月8日(日)

  第73号の主な内容

(随時更新されます)

《市政の焦点》

■12月小金井市長選特集

☆白井とおる市議が立候補表明(2015年11月8日更新)

 

☆白井市議の立候補記者会見に40人以上の市民が参加(2015年11月8日更新)

 

☆4陣営の対決構図に 財政健全化への具体策が焦点(2015年11月8日更新)

 

≪酒好きのたわごと≫

その15 越後の酒と謙信(2015年10月17日更新)

  うれしいニュース!

 公益社団法人「全国学校図書館協議会」が発行している「としょかん通信」(中・高校生版)2015年6月号の《今月のブックトーク》に『まちの力 ひとの力 ――変える 試みる 小金井の人たち』がとりあげられました。

 1人でも多くの中学生、高校生にこの本を読んでもらえたら、と思います。感想文も送ってもらえると、とってもうれしいですね。

 以下にその部分を貼り付けました。筆者は、ほそえさちよさんという子どもの本の編集者だそうです。タイトルは、「生きるために つながる」。

写真をクリックすると大きくなります
写真をクリックすると大きくなります
全体はこちらから
としょかん通信「今月のブックトーク」.pdf
Adobe Acrobat ドキュメント 5.3 MB

こがねいコンパスのインタビューシリーズ《変える 試みる 小金井の人たち》をまとめた本『まちの力 ひとの力』が図書出版クレインから刊行されています。ウェブ版では読めない、取材秘話などを明かす4本の「エピローグ」と、やまさき薫さんの素敵なイラスト付き。定価1500円+税です。市内の各書店でお買い求めください。クレインでも注文できます。

毎月第1・第3土曜日が定期発刊日です。こがねいコンパスは市民のための羅針盤を目指し、市民とともにつくる地域メディアです。ご意見・ご感想・情報提供などを、koganeicompass@gmail.comへおねがいします。

詳しくはイベントカレンダーのページをご覧ください。こちらから。

詳しくはイベントカレンダーのページをご覧ください。こちらから

小金井市のイベント情報は、小金井市地域情報サイトのさきナビでも見ることができます。バナーをクリックしてください。

 この人に聞く

脱原発社会への道筋を探る

民間の英知を結集して「脱原子力政策大綱」をまとめる「原子力市民委員会」の舩橋晴俊座長。

前編はこちらから。

後編はこちらから。

*船橋晴俊さんは2014年8月15日、くも膜下出血で急逝されました。ご冥福をお祈りするとともに、船橋さんの思いを少しでも多くの方に知って頂きたいと願っています。(編集長・佐藤和雄)

 

「敗北」を語る

民主党小金井支部幹事長

村山秀貴さん

前編はこちら

後編はこちら

 

イラクから問い続けてきたもの

映画監督・鎌仲ひとみさん

こちらから

メルマガ登録をどうぞ!

「こがねいコンパス」からのメルマガをご希望の方は以下にメールアドレスをご入力ください。新しい「市政フラッシュ」の掲載や、次号の主な内容などについてご連絡します。

コンパスは「羅針盤」です!

 

 『こがねいコンパス』は、小金井市政や小金井の人たちが関心をもつテーマを分かりやすくお伝えするインターネット新聞です。市民団体「こがねいコンパス編集部」が発刊しています。

 

 『コンパス』は、羅針盤を意味します。辞書によれば原義は「ともに歩くこと」です。市民が市政をより深く理解するための一助となり、よりよい小金井市政のあり方を考えるときの羅針盤でありたい。市民のみなさんと一緒に歩んでいきたい。そんな思いを込めています。

 

 

 ご連絡は koganeicompass@gmail.com まで。