第6回 市議会で「子育て隊」が訴えたもの

「保育所不足によって、多くの方の人生が変わってしまう現実が小金井にはあります」

        こがねいで子育て隊・代表Hさん

 小金井市の2014年4月1日時点の待機児童数は過去最悪の257人となった。未就学の子どもたちを抱える若い世帯は今、保育所探しに奔走し、悩み、苦しみ、不安の中にいる。その中で3月の市議会に待機児童解消などを求めて3本の陳情書を出したのが「こがねいで子育て隊」のメンバーたち。

 

 陳情書の提出にあたって市議会で意見陳述をした「こがねいで子育て隊」代表のHさんとメンバーのMさんの陳述内容を《子育て世代のキモチ》で2回にわたってご紹介したい。まずはHさんから。

 

 「保育所不足により、多くの人の人生が変わってしまう現実が小金井市にはあります」――。

 

 彼女たちの切実な訴えにぜひ耳を傾けてください。(編集部)

認可保育所の増設と定員拡充を

     (市議会厚生文教委員会でのHさんの陳述)
     (市議会厚生文教委員会でのHさんの陳述)

 

 東町に住むHと申します。自動車メーカーで自動車の開発をしております。

 

 昨年度0歳クラスに7園入所希望を出しましたが、不承諾でした。認可外の情報は電話番号だけ、という状態の中で泣きながら預け先を探しました。

 

 0歳枠で入所出来なければ、より募集の少ない1歳枠で入るのはより厳しくなります。私は育休を切り上げ、唯一電話をくれた認証保育所に預けて復職しました。

 

 不承諾通知を受け取った時、預け先を確保できない時の、あの絶望的な気持ちは忘れられません。仕事に復職出来るのだろうか。育休を延長で きたとしても、それまでに預け先を確保できなければどうしたらいいのだろうか。退職しなければいけないのだろうか――。

 

 指数(注)は満点なのに入所出来ず、けれど誰も助けてくれませんでした。 復職して生活が落ち着くと、このときの不安を誰かと共有したく、ブログを始めました。

 

《(注)「指数」とは、「入所指数」のこと。保護者の勤務状況など保育の必要性を数値化したもので、最高が100。高い人ほど優先的に認可園に入所できるが、小金井市では100でも入れない世帯が続出している。》

 

 ブログを始めてみると、「我が家も入所出来ずに困っている」「2年も待機している」「保育所に入れないから三鷹か府中に引っ越そうと思う」などなど、多くの保護者の声が寄せられるようになりました。

 

 小金井市は小さい市です。未就学児童も23区や他市と比べても少なめです。それにも関わらず、新定義での待機児童は昨年4 月時点で188人。これは昨年10月時点では244人にまで増えています。未就学児童における待機児童の割合としては多摩地区でワーストどころか、東京全地区でワーストです。

 

 また、同じような就学前人口の市と比べても、認可保育所の定員枠は300から900人分も少ないのが現状です。

 

 平成26度4月の保育園入所申し込みでは、806人の申し込みに対し510人に不承諾通知が届きました。そのうち両親の指数100を 満たす子どもが165名もいます。

 

 小金井市の待機児童がここまで増えてしまった要因と考えられるのは新生児が想定以上に増えたこともありますが、児 童福祉法が義務付けている保育計画を策定せずに、市が積極的にこれら待機児童対策に取り組んでこなかったからだとも言えます。

 

 親の介護と仕事をしながら子どもは無認可に預けている女性――。

 

 認可外にすら入れずいつ復職出 来るか不安な毎日を過ごす女性――。

 

 そのまま退職を迎える女性――。

 

 就職先を見つけても、保育所に入れず、何度も就職の内定を取り消される女性――。

 

 高齢の親の面倒を見たくても保育園に入れず地元である小金井市へUターン出来ないご家族ーー。

 

夫が海外駐在中でも上の子の入園の見込みが低く、産前産後を1人で乗り切ろうとしている女性――。

 

 保育所不足により、多くの方の人生が変わってしまう現実が小金井市にはあります。

 

 平成27年度から(子ども・子育ての)新制度が始まりますが、それを待っていればまた1、2年対応がまた遅れてしまいます。早急に対応が必要と考えます。

 

 他の市区は200、300という規模で認可保育所の定員弾力化に努めています。小金井市は認可外(の定員)は少しは増えていますが、認可保育所の定員はほとんど増えていません。

 

 あえて認可外に通所させるご家庭もありますが、多くは認可保育所を希望しており、またその資格があるのです。高額な保育料を払ってでも子どもを認可(園)に通わせたいと言うご家庭もあります。

 

 「りんごが欲しい」と言っている人に、みかんを渡し、「りんごがいらなかったことにする」というのは違うのではないでしょうか。

 

 私たちはものごころつく前に男女雇用機会均等法が施行され、男女参画が進む諸外国と同じように男女は平等で同権であると教えられてきました。そして それを疑わずに学び、社会人となりました。

 

 出産を経て職場復帰しようとして初めて、その環境が整っていないことに気づかされました。

 

 どうか仕事も子育ても頑張って両立しようとしている若い世帯の声に耳を傾けて下さい。

 

 子育てと仕事の両立がしやすい環境づくりのために、そして小金井市を子育てしやすい魅力ある市にするために、 2点を陳情致します。

 

 1. 安心安全な規準を保ち、ニーズの高い認可保育所を増設、及び定員を拡充して下さい。

 

 2 . 特に、今後も子育て世帯が増加しそうな地域、または駅からそう遠くないエリアに、26年度 中に100名規模の定員枠増を求めます。

「認可外施設」利用者への補助拡充を

 

 認可外保育施設へ子どもを通わせているのは、認可園への入所を希望しながら出来なかった保護者がほとんどだと思いますが、小金井市の認証保育園の保護者助成金は9000円と決して手厚くありません。

 

 制度基準の違いにより認可園のほうが設備や環境面は充実していると言われ、また有資格者も少ないにも関わらず認証保育所の保育料は認可園に比べ高額となってしまっているのが現状です。

 

 私自身、今は子どもを認証保育所に通わせています。少ない資源、少ない保育士さんたちで一所懸命子どもを保育していただいていること、またここに(入園が)決まらなければ退職しなければならなかったことを考えると、本当に感謝しております。

 

 ただ我が家もそうですが、他の(認可園への入園が)「不承諾」となった家庭も指数は100または高い指数です。

 

 本来であれば受けられる認可園での保育が叶わず、さらに経済的な負担を強いられます。これは到底納得出来ません。

 

 同じような規模の就学前児童をもち、同じように待機児童の多い武蔵野市などは、対象児童が認可保育所に入所したと仮定した場合に支払うであろう 保育料と、認可外保育施設へ支払う保育料との差額を助成するなど負担軽減が手厚くされています。

 

 また23区はもとより近隣の市と比べても、小金井市の助成金は少ないといわざるを得ません。

 

 私たちは1日も早く保育を必要とするすべての子どもに、等しく良質な保育が保証される事を願っています。その為に(以下を)陳情いたします。

 

 対象児童が認可保育所に入所したと仮定した場合に支払うであろう保育料と、認可外保育施設へ支払う保育料との差額を助成してください。仮に差額 100%は無理でも負担を軽減する目的に沿って助成額の拡充をお願いします。また、ぜひとも26年度途中からでも措置してください。

 

 以上で説明を終わります。ありがとうございました。

 
(終わり)
こがねいコンパス第53号(2014年6月7日更新)

 11月8日(日)

  第73号の主な内容

(随時更新されます)

《市政の焦点》

■12月小金井市長選特集

☆白井とおる市議が立候補表明(2015年11月8日更新)

 

☆白井市議の立候補記者会見に40人以上の市民が参加(2015年11月8日更新)

 

☆4陣営の対決構図に 財政健全化への具体策が焦点(2015年11月8日更新)

 

≪酒好きのたわごと≫

その15 越後の酒と謙信(2015年10月17日更新)

  うれしいニュース!

 公益社団法人「全国学校図書館協議会」が発行している「としょかん通信」(中・高校生版)2015年6月号の《今月のブックトーク》に『まちの力 ひとの力 ――変える 試みる 小金井の人たち』がとりあげられました。

 1人でも多くの中学生、高校生にこの本を読んでもらえたら、と思います。感想文も送ってもらえると、とってもうれしいですね。

 以下にその部分を貼り付けました。筆者は、ほそえさちよさんという子どもの本の編集者だそうです。タイトルは、「生きるために つながる」。

写真をクリックすると大きくなります
写真をクリックすると大きくなります
全体はこちらから
としょかん通信「今月のブックトーク」.pdf
Adobe Acrobat ドキュメント 5.3 MB

こがねいコンパスのインタビューシリーズ《変える 試みる 小金井の人たち》をまとめた本『まちの力 ひとの力』が図書出版クレインから刊行されています。ウェブ版では読めない、取材秘話などを明かす4本の「エピローグ」と、やまさき薫さんの素敵なイラスト付き。定価1500円+税です。市内の各書店でお買い求めください。クレインでも注文できます。

毎月第1・第3土曜日が定期発刊日です。こがねいコンパスは市民のための羅針盤を目指し、市民とともにつくる地域メディアです。ご意見・ご感想・情報提供などを、koganeicompass@gmail.comへおねがいします。

詳しくはイベントカレンダーのページをご覧ください。こちらから。

詳しくはイベントカレンダーのページをご覧ください。こちらから

小金井市のイベント情報は、小金井市地域情報サイトのさきナビでも見ることができます。バナーをクリックしてください。

 この人に聞く

脱原発社会への道筋を探る

民間の英知を結集して「脱原子力政策大綱」をまとめる「原子力市民委員会」の舩橋晴俊座長。

前編はこちらから。

後編はこちらから。

*船橋晴俊さんは2014年8月15日、くも膜下出血で急逝されました。ご冥福をお祈りするとともに、船橋さんの思いを少しでも多くの方に知って頂きたいと願っています。(編集長・佐藤和雄)

 

「敗北」を語る

民主党小金井支部幹事長

村山秀貴さん

前編はこちら

後編はこちら

 

イラクから問い続けてきたもの

映画監督・鎌仲ひとみさん

こちらから

メルマガ登録をどうぞ!

「こがねいコンパス」からのメルマガをご希望の方は以下にメールアドレスをご入力ください。新しい「市政フラッシュ」の掲載や、次号の主な内容などについてご連絡します。

コンパスは「羅針盤」です!

 

 『こがねいコンパス』は、小金井市政や小金井の人たちが関心をもつテーマを分かりやすくお伝えするインターネット新聞です。市民団体「こがねいコンパス編集部」が発刊しています。

 

 『コンパス』は、羅針盤を意味します。辞書によれば原義は「ともに歩くこと」です。市民が市政をより深く理解するための一助となり、よりよい小金井市政のあり方を考えるときの羅針盤でありたい。市民のみなさんと一緒に歩んでいきたい。そんな思いを込めています。

 

 

 ご連絡は koganeicompass@gmail.com まで。