第7回 

「多くの人は悠長にまっていられません」

     こがねいで子育て隊 メンバーのMさん

(小金井市議会厚生文教委員会で意見陳述するMさん)
(小金井市議会厚生文教委員会で意見陳述するMさん)

 《子育て世代のキモチ》第7回は、第6回と同じく小金井市議会の厚生文教委員会で意見陳述された、「こがねいで子育て隊」のメンバーMさんの陳述内容を、ご本人のご了解を得て、掲載することにしました。「待機児童の緊急救済措置を求める陳情」を出すに至った、切迫した事情や思いが良く伝わってきます。ぜひお読みください。(編集部)

 

 緑町に住む、こがねいで子育て隊メンバーのMと申します。1歳1ヶ月の娘がおります。小売業で商品開発をしており、現在、育児休業期間を延長しています。 

 

 小金井市の認可保育園の平成26年度4月入園申請では、申込総数806名のうち、510名に対して不承諾通知が送付されました。認可園を希望した63.2%が入所できなかったことになります。

 

 多くの人は、不本意ながら不承諾を見越し、あらかじめ認証園や無認可保育所などで預け先を探します。

 

 しかし、そこは認可園に比べると、園庭などの設備面や保育士の数などの環境面で劣るにも関わらず、高い保育料を支払わなければなりません。

 

 その上、子どもの首がすわらないうちから見学と空き待ち登録をしても、なかなか預け先を確保できないのが小金井市の現状です。

 

 私自身は、昨年の8月から、市内の各認証園に電話で問い合わせをはじめました。ある園では申込者が殺到しているということで、見学すら断られました。結局、申し込みができた認証園は、4月オープンの園もあわせて4カ所だけでした。

 

 そして、2月8日の大雪の日、小金井市からの不承諾通知を受け取りました。空き待ち登録している認証園に連絡し、改めて入園のお願いをしましたが、また連絡すると言われたきり、なかなか電話がかかってきませんでした。4月オープンの園の抽選にも外れてしまいました。

 

 急いで市内の無認可の保育室に問い合わせましたが、すでに申し込みを締め切っていました。通勤途中の駅、勤務先の駅の認可外に範囲を広げましたが、時すでに遅し、見学すら受け付けてもらえませんでした。

 

 託児所やベビーシッターを調べましたが、あまりに高額で、日常的に使用するのはとても無理でした。

 

 私はすでに育児休業を延長している身で、(今年)8月にはその期限が切れてしまいます。現実問題、待機の順番がよほど早くない限り年度途中での入所の見込みはほとんどなく、4月の一斉入所ができなければまた1年待つことになります。

 

 8月までに預け先が決まらなければ、仕事をやめなくてはいけない。赤字覚悟でベビーシッターに預けるか。貯金もできずに、生活は苦しくなってしまう。これでは働けない。やはり仕事をやめなくてはいけないのか…。

 

 絶望感でいっぱいで日々を過ごすなか、ようやくひとつの園からご連絡をいただき、なんとか4月から通えることに決まりました。

 

 しかし私は、あの時に感じた不安、焦り、悔しさを、忘れることはできません。今、この瞬間も、どこにも預け先が無く困っている人たちはたくさんいます。

 

 今年の認可園不承諾で、今でも預け先が決まっていない方々の、切実な声を紹介させてください。

 

「昨年の7月から、市内の認証園に見学と空き待ち登録をしていました。念のため、勤務先がある他市の認証園もいくつか登録していました。しかし、市内の認可園、認証園は全滅。復帰まで1ヶ月を切った今でも、他市の認証園からの連絡を待ちながら、胃が痛む、不安な日々を過ごしています。」

 

「夫婦でお店をやっています。産後2ヶ月から仕事復帰しており、お店で子どもを見ながらなんとか営業していますが、仕事に大きな支障が出てきています。今はおんぶをしながらお店に立っていますが、店内には危険な機械や薬品があるので、子どもが歩き回るようになったら今のようにはいきません。一日も早く、預け先を見つけたいです。」

 

「自営業です。認可園、認証園、保育室、保育ママ、全てダメでした。認可園の一時保育に申し込みましたが、なかなか予約が取れず、2園で2日ずつ、月に4日だけ預けられることになりました。これでは仕事ができないので、託児所やベビーシッターを併用しますが、経済的に週2日が限度です。この綱渡りのような不安定な日々が1年間続くのでしょうか。」

 

 ほかにも、預け先が見つからないまま育児休業期間が終了となり、これまで積み重ねたキャリアを捨て退職した人もいます。「小金井市では子育てできない」と、認可園不承諾をきっかけに、他市へ引っ越した人もいます。

 

 私たちは、不承諾通知を受け、本来なら受けられるはずの認可園での保育がかなわず、経済的、精神的に多くの負担を強いられています。

 

 認可園のみならず、認証園、無認可保育室、保育ママなど、小金井市内のあらゆる保育サービスの枠はもう満杯です。

 

 

 しかし、現時点では小金井市からの救済措置は全くありません。年度途中から入所できる認可園、認証園はほとんどありません。

 

 このまま何の対策もされないまま、負担を抱えながら、1年間を過ごさなくてはいけないのでしょうか。

 

 ここ数年、待機児童は雪だるま式に増えています。今、ここで緊急措置をとらなければ、来年また、多くの人たちが苦しむことになるでしょう。

 

 他の自治体は、年々増加する待機児童解消に向けて、様々な取り組みを行っています。

 

 静岡市では、認可園に入所できるまでの間の措置として、公立の「待機児童園」を設けています。特徴は、職場復帰の時期にあわせて年度途中でも入所できることです。年度始めは少なく、年末に向けて増加する待機児童に対し、公立の保育士を柔軟に増減させて対応しています。

 

 武蔵野市では、マンション、児童館、戸建住宅など、様々な物件を利用した小規模保育室をつくっています。7園のうち、3園でUR賃貸の物件を使用しています。UR賃貸は豊富な自然環境や公園、広場が多く、足立区や江東区などでも保育施設に活用されています。武蔵野市は待機児童率が小金井市と同様に高いですが、緊急待機児童対策として新たに平成26年度4月に3園開設し、認可園の不承諾者を受け入れる予定です。

 

 杉並区では、「杉並区保育室」という緊急対策用の保育室を設けています。区営、民間委託あわせて25園あります。区営の場合は園長に退職した区の保育士OBを採用したり、区の空き教室など、人材や設備を活用してコストを抑えて運営しています。

 

 札幌市では、複数の保育ママが運営するグループ型保育室を設置しています。賃貸物件で行うので、自宅にスペースを確保しにくい人でも開業しやすいメリットがあります。複数の保育者がいるので、緊急時や休憩時も相互に補いあえます。提携の認可園や支援センターで定期的に身体測定や外遊び、行事などで交流しています。

 

 これらはほんの一例で、その他にも各自治体が様々な施策で待機児童解消に取り組んでいます。

 

 小金井市は平成27年度以降の子ども・子育て支援新制度を見据えた新計画の策定を予定し、また平成26年度中に認可園の定員枠増が予定されているようです。しかし、多くの人にはそれを悠長に待っている時間はありません。

 

 認可園の希望者が一日でも早く預け先を保障され、安心して働くことができるよう、以下を陳情いたします。

 

 平成26年度中、できる限り早い時期に、市の責任で待機児童の緊急救済措置としての保育室、あるいはそれにかわる施設を設置してください。そしてその結論を3月末までに出してください。

 

 以上、よろしくお願いします。

 

こがねいコンパス第53号(2014年6月12日更新)

 

 11月8日(日)

  第73号の主な内容

(随時更新されます)

《市政の焦点》

■12月小金井市長選特集

☆白井とおる市議が立候補表明(2015年11月8日更新)

 

☆白井市議の立候補記者会見に40人以上の市民が参加(2015年11月8日更新)

 

☆4陣営の対決構図に 財政健全化への具体策が焦点(2015年11月8日更新)

 

≪酒好きのたわごと≫

その15 越後の酒と謙信(2015年10月17日更新)

  うれしいニュース!

 公益社団法人「全国学校図書館協議会」が発行している「としょかん通信」(中・高校生版)2015年6月号の《今月のブックトーク》に『まちの力 ひとの力 ――変える 試みる 小金井の人たち』がとりあげられました。

 1人でも多くの中学生、高校生にこの本を読んでもらえたら、と思います。感想文も送ってもらえると、とってもうれしいですね。

 以下にその部分を貼り付けました。筆者は、ほそえさちよさんという子どもの本の編集者だそうです。タイトルは、「生きるために つながる」。

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全体はこちらから
としょかん通信「今月のブックトーク」.pdf
PDFファイル 5.3 MB

こがねいコンパスのインタビューシリーズ《変える 試みる 小金井の人たち》をまとめた本『まちの力 ひとの力』が図書出版クレインから刊行されています。ウェブ版では読めない、取材秘話などを明かす4本の「エピローグ」と、やまさき薫さんの素敵なイラスト付き。定価1500円+税です。市内の各書店でお買い求めください。クレインでも注文できます。

毎月第1・第3土曜日が定期発刊日です。こがねいコンパスは市民のための羅針盤を目指し、市民とともにつくる地域メディアです。ご意見・ご感想・情報提供などを、koganeicompass@gmail.comへおねがいします。

詳しくはイベントカレンダーのページをご覧ください。こちらから。

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 この人に聞く

脱原発社会への道筋を探る

民間の英知を結集して「脱原子力政策大綱」をまとめる「原子力市民委員会」の舩橋晴俊座長。

前編はこちらから。

後編はこちらから。

*船橋晴俊さんは2014年8月15日、くも膜下出血で急逝されました。ご冥福をお祈りするとともに、船橋さんの思いを少しでも多くの方に知って頂きたいと願っています。(編集長・佐藤和雄)

 

「敗北」を語る

民主党小金井支部幹事長

村山秀貴さん

前編はこちら

後編はこちら

 

イラクから問い続けてきたもの

映画監督・鎌仲ひとみさん

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 『コンパス』は、羅針盤を意味します。辞書によれば原義は「ともに歩くこと」です。市民が市政をより深く理解するための一助となり、よりよい小金井市政のあり方を考えるときの羅針盤でありたい。市民のみなさんと一緒に歩んでいきたい。そんな思いを込めています。

 

 

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