第9回 滄浪泉園から弁車の坂、貫井トンネルの坂へ

小金井 坂下・坂上探検隊「坂の途中で会いましょう」

●今回の参加隊員(随時募集中/悪いようにはしません)

1号 koganeist(K)市内坂下に住む元5歳男子の母の夫。

2号 folkway(F)市内坂上に住むムジナ。

3号 hayamapapa1966(H)市内坂上に住む3児の母の夫。4回目。

10号 kazsato1957 市内坂下に住む本誌編集長。初参加。

11号 Lee(L)市内坂上に住む3歳の早熟な坂児。初参加。

12号 matryochica(M)市内坂上に住む3歳の坂児の母。初参加。

13号 kengo_tank(T)市内坂上に住む3歳の坂児の母の夫。初参加。


いつもの通り、シャトー小金井の前に集合した隊員たちである。

 

FK「うわっ!」

編集長(以下編)「え?」

FK「編集長じゃないすか!」

編「フッ…私もキミたちの探検に一度参加したいと思っていたのだよ」

F編集長が来てくれたら百人力ですよー

Kわーいわーい

編「…何か迷惑かな」

FKぜんっぜんそんなことないっすよー」

編(さぼってないか見張りに来たのを勘づかれたか…)

 

K「今回も新隊員がたくさん参加ですね」

F「では、さっそく自己紹介ターイム! Leeくん、キミはいくつ?」

Lee(以下L)「3さい」

K「今日はパパとママが付き添いですね。ずっと歩きだけどがんばってね。それからこの人は?」

kengo_tank(以下T)「ども。kengo_tankです。8ミリカメラ持参です。妻子を連れてきました(シャー)」

K「シャー?」

T「あ、8ミリカメラの撮影音です。気にしないで下さい」

F「てっきり、おしっk…」

K「はいはい。次の方は?」

matryochika(以下M)「matryochicaです。今日は夫と息子も一緒です」

F「自己紹介ありがとうございました。以上、3家族加わって本日の探検を始めます!」

K「いや、どう見ても1家族でしょ…」

↑8ミリカメラを持参。何が撮れるかな
↑8ミリカメラを持参。何が撮れるかな

 

K「今日は、初参加の方も多いので、前回のヒット坂、サボテン坂を軽く再訪してみましょう」

F「あーっ!」

K「えっ?」

F「空き缶オブジェの駐車場が…」

↑前回はあったのに…
↑前回はあったのに…

K「…更地になってますね」

F「坂の歴史に立ち会ってる気がするね」

↑跡形もなく更地に…
↑跡形もなく更地に…

T「あ、これは空き缶の化石じゃありませんか?(シャー)」

F「おお、坂初心者なのに上出来、上出来」

K「何だかえらそうですね」

↑空き缶の化石が発掘された
↑空き缶の化石が発掘された

 

M「雑木林の中から、子どもたちの声がしますね」

F「向こう側の平代坂から、この雑木林に入れるんだよ」

↑雑木林の向こうは平代坂
↑雑木林の向こうは平代坂

T「そういえば、今日の探検は平代坂からですよね!(シャー)」

F「…」

K「…」

Fさあ、次行くよ!

MT「ええっ、いきなり予定変更?」

編(ふむ、前回の予告の踏み倒しか。減点1、と。)

K「編集長、そのノートは?」

編「いや…気にしないでくれたまえ」

↑すっかり緑も深まった
↑すっかり緑も深まった

 

サボテン坂を後にして、連雀通りに戻る。西に向かうと、次の角が滄浪泉園の入口だ。

 

↑石の門標。たぶん「滄浪泉園」と書いてある
↑石の門標。たぶん「滄浪泉園」と書いてある
↑スリップ注意、なのか?
↑スリップ注意、なのか?

 

K「すごい達筆。知らなかったら読めないな」

F「三文字目は『スリップ注意』でしょ」

K「え?」

F「ほら」

K「…無理がありますね」

H〈滄浪泉園〉。総理大臣も務めた犬養毅(木堂)の揮毫やね」

FK「おお、やっぱりそう書いてあったんだ!」

編(当り前だろ…)

 

↑大人100円で朝9時から夕方5時まで楽しめます
↑大人100円で朝9時から夕方5時まで楽しめます
↑右へ行くか、左へ行くか
↑右へ行くか、左へ行くか

F「どっちに行こうかな…」

K「右でいいと思いますよ」

↑園内に入るとすぐに、丸石の石畳の坂が下っていく
↑園内に入るとすぐに、丸石の石畳の坂が下っていく

L「すごいさかだね~」

M「この子、坂が好きなんですよ(微笑)」

F「ああ、坂児(さかご)だね」

K「その言葉、いま作ったでしょ」

↑滄浪泉園はこんなところ
↑滄浪泉園はこんなところ

H〈滄浪泉園は、武蔵野台地から沖積層底地へ移るところに位置しており、この傾斜地は古代多摩川が南へ移っていった途中作った古い段丘の1つで、国分寺崖線と呼ばれ、崖下からは豊かな地下水が湧き出て、これを一般にハケと呼んでいます〉……なんだか読みにくい文章やな~」

FK「今日もおつとめご苦労様です!」

↑水琴窟を発見!
↑水琴窟を発見!

K「そうそう、ここは水琴窟があるんです」

M「スイキンクツ?」

 

↑瓶が埋められた石の上に水を注いで、竹筒に耳を当てると…
↑瓶が埋められた石の上に水を注いで、竹筒に耳を当てると…

L「きれいなおとがするよ~」

T「どうして音がするんだろうね?」

L「ふしぎだね~(一般に水琴窟は、逆さまにした瓶を地中に埋めて、その中に水滴を落とすと、その水音が内部で反響して美しい音を奏でる仕組みになっているんだ)

編「ん? キミ、いま何か言ったかね?」

L「もういっかい、おみずをかけたいな~」

編(空耳か…)

 

↑木々のあいだから水面が見えてきた
↑木々のあいだから水面が見えてきた

 

園内はハケそのものを活かした急斜面になっていて、最も低いところには池がある。昔の国分寺崖線には、こんな坂がたくさんあったのかもしれない。


 

↑2か所のハケから池に水が流れ込む
↑2か所のハケから池に水が流れ込む

M「滄浪泉園、初めて来たけどすごくいいところですね」

T「“東京の名湧水57”にも選ばれてるらしいよ」

L「こっちにきれいなおはながさいてるよ~(滄浪泉園は明治・大正期の実業家・政治家だった波多野承五郎の別荘だった。1977年に東京都が買収して小金井市が整備・管理しているんだ

編「キミはいったい何者…」

L「こっちにもさかがあるよ~(編集長、ボクの心の声が聞こえるんだね。おっと、何も言わないで。まだヒミツにしておいてね)

編「うむ…」

M「と、とにかく坂が大好きな子なんですよ~(汗)」

↑心の声で対話する編集長とL
↑心の声で対話する編集長とL

 

K「園内にはお地蔵さんや馬頭観音が祀られています」

H「おだんご地蔵、おもろい名前やなー。なになに…〈このお地蔵様は正徳3年(1713年)今からおよそ266年前念仏供養のためにまつられたものです。何を見、何を思っているのでしょうか、素朴で柔和なお顔立は、このお地蔵様がたどって来た長い歳月を私たちに語りかけてくれるかのようです。お地蔵様の足元にはエビネが自生し、5月頃には花のじゅうたんを敷きつめふくいくとした香りを届けます〉。なるほどー……って、ぜんぜん名前の説明になってへんやんかー!」

F「書くことがなかったのかな」

 

T「あ、これはファンタの化石じゃありませんか?(シャー)」

F「おお、坂初心者なのに感心、感心」

K「もはや坂探検隊じゃなくて、発掘調査団ですね」

↑池を一周すると、また坂をのぼって庭園に出る
↑池を一周すると、また坂をのぼって庭園に出る
↑庭園のあずまやで一休み
↑庭園のあずまやで一休み

 

滄浪泉園を出て右に進むと、こちらも坂になっている。これが「弁車の坂」。

 

L「またさかがあるよ~(国分寺崖線のおもしろいところは、河岸段丘なのに“対岸”が見えないことだと思いませんか?)

編「なるほど、多摩川がずっと南に移動してしまっているからね」

↑新しい坂に来て、歓喜の余り飛び跳ねる坂児
↑新しい坂に来て、歓喜の余り飛び跳ねる坂児

K「坂児が喜んでぴょんぴょん跳ねてるよ」

F坂児(ばんじ)ジャンプだね」

K「わはははは」

編(それに比べてこいつらのレベルの低さときたら…)

FK「ジャンプ! ジャンプ!」(いっしょに飛び跳ねる)

編(さらに減点1だ)

FK「編集長もいっしょにジャンプしませんか?」

編「…」

↑弁車の坂は、薬師通りまでまっすぐ下っている
↑弁車の坂は、薬師通りまでまっすぐ下っている

薬師通りに突き当たって右折すると、まもなく新小金井街道だ。

 

T「このあたりが昔は五叉路だったと聞いたんですが…」

F「何サロ?」

K「黙っててくださいよ」

↑ここが五叉路かな? 文字で隠れてしまっているけど…
↑ここが五叉路かな? 文字で隠れてしまっているけど…

 

新小金井街道がハケを突っ切るのが貫井トンネル。ちなみに、その北には、中央線との立体交差もあって、新小金井街道は2つ続けてトンネルをくぐることになる。

 

↑交通量の多い新小金井街道。自転車が通れる歩道は東側だけにしかないから注意
↑交通量の多い新小金井街道。自転車が通れる歩道は東側だけにしかないから注意

L「こんどはとんねるだよ~(高架化が完成して、中央線による南北の分断が解消してきた現在は、小金井市における“中央線がなかった”頃が再び可視化され、ハケという独特の地形が体感しやすくなりつつある時期なのかもしれませんね)

編「キミは高架になる前を知っているのかね」

L「くるまがたくさんはしってるよ~(最近読んだ本の受け売りです(笑)。いずれにせよ、いま“ハケ系”が急速に勢いづいている背景には、中央線の高架化があると言っても過言ではないでしょう)

編「興味深い視点だな」

M「ほ、ほんとにこの子は坂が好きで好きで…(滝汗)」

編(お母さん、あなたもこの子の特殊能力に気づいているのでは…)

F「そうするとMさんは、さしずめ坂母(ばんぼ)だね」

K「そしたらTさんは、坂父(ばんぷ)?」

F坂父さん(ばんとうさん)とかね~」

K「ははははは」

T「シャー!」

F「今度は何撮ってるの?」

T威嚇してるんですよ!」

編(醜悪すぎる…。さらに減点1

 

新小金井街道を10メートルほど上ると、脇に下りる階段があり、そこから新小金井街道の下をくぐるトンネルに出ることができる。(弁車の坂や薬師通りから、直接このトンネルに来ることも可能)

 

↑トンネルをくぐると…
↑トンネルをくぐると…
↑新小金井街道の西側に出られる
↑新小金井街道の西側に出られる

 

貫井トンネルができる前は、このあたりは九十九折の急坂だったという。

 

↑貫井トンネル西側の階段を上がって、トンネルの上へ
↑貫井トンネル西側の階段を上がって、トンネルの上へ
↑はけうえ遺跡の案内板
↑はけうえ遺跡の案内板

H「はけうえ遺跡やー!」

F「…」

K「…」

F「…あれ、読まないの?」

H「疲れたわ」


 

↑貫井トンネルの上からは、はるか多摩丘陵が望める
↑貫井トンネルの上からは、はるか多摩丘陵が望める

K「たしかに、この眺望は坂児の言うとおり“対岸のない河岸段丘”ですね」

L「え?(聞こえてたの?)

F「みんな聞こえてたよ」

L「がび~ん(がび~ん)

↑照れ隠しにがび~んする坂児
↑照れ隠しにがび~んする坂児

 

はけうえ遺跡から連雀通り方向に戻り、小金井市の「環境楽習館(旧・雨デモ風デモハウス)」の前で、今日の探検は解散になった。

 

 

↑カフェが休止中なのが残念
↑カフェが休止中なのが残念

 

K「あれ、編集長! ここにノート置き忘れてますよ!」

F「どれどれ。えーと、『減点10になったら連載打ち切…』」

編「勝手に見るな!

 

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富永さん「ずいぶん遠くに行ってしまったね」

FK「ああ…」

 

●次号(6月上旬更新)貫井大坂、フリークライミング! に続く。

↑これはもはや坂じゃない、壁だ!
↑これはもはや坂じゃない、壁だ!
(c)illust_Ueki
(c)illust_Ueki

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※このシリーズでは、★★★★★を満点に毎回坂を適当に採点していきます。項目は適当に変わることがあります。

 

■滄浪泉園の坂

新緑度 ★★★★★

自転車度 ★

蛇行度 ★★★★

歴史度 ★★★★★

見晴らし度 ★

 

■弁車の坂

渋滞度 ★

自転車度 ★★★★

直進度 ★★★★

支坂度 ★★

閑静度 ★★★★

 

■貫井トンネルの坂

渋滞度 ★★★★

自転車度 ★★★

複雑度 ★★★★

見晴らし度 ★★★★★

トンネル度 ★★★★★

 

 

 11月8日(日)

  第73号の主な内容

(随時更新されます)

《市政の焦点》

■12月小金井市長選特集

☆白井とおる市議が立候補表明(2015年11月8日更新)

 

☆白井市議の立候補記者会見に40人以上の市民が参加(2015年11月8日更新)

 

☆4陣営の対決構図に 財政健全化への具体策が焦点(2015年11月8日更新)

 

≪酒好きのたわごと≫

その15 越後の酒と謙信(2015年10月17日更新)

  うれしいニュース!

 公益社団法人「全国学校図書館協議会」が発行している「としょかん通信」(中・高校生版)2015年6月号の《今月のブックトーク》に『まちの力 ひとの力 ――変える 試みる 小金井の人たち』がとりあげられました。

 1人でも多くの中学生、高校生にこの本を読んでもらえたら、と思います。感想文も送ってもらえると、とってもうれしいですね。

 以下にその部分を貼り付けました。筆者は、ほそえさちよさんという子どもの本の編集者だそうです。タイトルは、「生きるために つながる」。

写真をクリックすると大きくなります
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全体はこちらから
としょかん通信「今月のブックトーク」.pdf
PDFファイル 5.3 MB

こがねいコンパスのインタビューシリーズ《変える 試みる 小金井の人たち》をまとめた本『まちの力 ひとの力』が図書出版クレインから刊行されています。ウェブ版では読めない、取材秘話などを明かす4本の「エピローグ」と、やまさき薫さんの素敵なイラスト付き。定価1500円+税です。市内の各書店でお買い求めください。クレインでも注文できます。

毎月第1・第3土曜日が定期発刊日です。こがねいコンパスは市民のための羅針盤を目指し、市民とともにつくる地域メディアです。ご意見・ご感想・情報提供などを、koganeicompass@gmail.comへおねがいします。

詳しくはイベントカレンダーのページをご覧ください。こちらから。

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小金井市のイベント情報は、小金井市地域情報サイトのさきナビでも見ることができます。バナーをクリックしてください。

 この人に聞く

脱原発社会への道筋を探る

民間の英知を結集して「脱原子力政策大綱」をまとめる「原子力市民委員会」の舩橋晴俊座長。

前編はこちらから。

後編はこちらから。

*船橋晴俊さんは2014年8月15日、くも膜下出血で急逝されました。ご冥福をお祈りするとともに、船橋さんの思いを少しでも多くの方に知って頂きたいと願っています。(編集長・佐藤和雄)

 

「敗北」を語る

民主党小金井支部幹事長

村山秀貴さん

前編はこちら

後編はこちら

 

イラクから問い続けてきたもの

映画監督・鎌仲ひとみさん

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 『コンパス』は、羅針盤を意味します。辞書によれば原義は「ともに歩くこと」です。市民が市政をより深く理解するための一助となり、よりよい小金井市政のあり方を考えるときの羅針盤でありたい。市民のみなさんと一緒に歩んでいきたい。そんな思いを込めています。

 

 

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