小金井 坂下・坂上探検隊 「坂の途中で会いましょう」

第3回 二枚橋の坂

●隊員(随時募集中/悪いようにはしません)

1号 Koganeist 市内坂下に住む5歳男子の母の夫

2号 Folkway 市内坂上に住む15歳女子の母の夫

 

K(え?!

F(なにが?

K(今回は二枚橋の坂なんですか? 前回の最後に『「坂中の富永さん」は連載内連載として、あと数回続けてみることにする』って)

F(そうなんだけど、市内に17坂もあればノルマこなしておかないとね)

K(前回も同じようなこと言ってた……)

 

富永一矢さん(T「どうかしましたか?」

FK「なんでもありません! お話続けてください!」

 

↑昭和30年(1955)11月1日の富永さん(20歳)。野川にかかった橋の上で
↑昭和30年(1955)11月1日の富永さん(20歳)。野川にかかった橋の上で

K「ええと、ここに写ってる青年は…」

T「このワタシですよ」

F「はっはっはっは、ご冗談を。歳が違いすぎる」

T60年近く前ですからね」

F「ええええええっ!」

 

K(見ればわかるだろ)

T「このころは、野川は「大川」と呼ばれていてね。水もずいぶん深くて、蛇行していました。夏には子どもたちがみんな大川で泳いだもんです」

K「今はほとんどまっすぐですね」

T「大雨が降るとすぐにあふれたので、流れを改修したんです」

 

↑野川の改修工事の様子。昭和47年(1972)1月23日
↑野川の改修工事の様子。昭和47年(1972)1月23日

F「ユンボの運転も富永さんが?」

T「野川の改修工事の写真ですね」

 

(華麗にスルー…)

 

T「このあたり一帯は全面タンボでしたね」

F「ああ、ユンボ」

K「タンボですよ」

Fタュンボ?」

K「混ぜるな!」

 

T「でも、タンボをめぐっては、坂上と坂下とで確執もあったみたいですよ」

F「確執というと?」

T「正確にいうと、坂上というより、もっと玉川上水に近い方ですね。あっちは上水を引かなきゃならないくらいで、水が豊かではなかった。田無(たなし)という地名があるように米が作れない。米が作れる野川沿いの家とでは、結婚するのにも障害があったと聞きます」

F「小金井版『ロミオとジュリエット』ですね。おおロミ~オ、あなたはどうして坂下なの……ってね」

 

(華麗にスルー…)

 

T「そうそう、小金井にも空襲があったのをご存じですか」

K「こんなのどかなところなのに?」

T「小金井はのどかですが、近くに調布飛行場も立川飛行場もあったし、陸軍技術研究所もあった。それになんと言っても、中島飛行機がありましたから。昭和20年の空襲のときには、小金井もやられました」

 

有名な話だが、いまの国際基督教大学(ICU)のキャンパスは、世界でも有数の飛行機メーカーだった中島飛行機の三鷹研究所の跡地である。

 

T「私は、戦争末期は足利に疎開していたので、小金井に戻ったのは敗戦後です」

Fご帰金はいつごろ?」(帰金とは小金井市民が市内に帰るという、ツイッター用語)

K(帰金?)

T「昭和20年の8月末頃ですね」

K(わお、通じたよ!)

F「空襲で、かなり被害を受けたのでしょうか」

T「わが家の屋根瓦も壊れてましたね。西武多摩川線のガードの向こう、今のICUの敷地のあたりには、アメのようになった鉄骨の残骸がしばらくのあいだ残っていたのを覚えています。あと、野川公園に自然観察園があるでしょう? あそこのふたつの池は、爆弾が落ちたあとの穴ぼこなんですよ」

F「えええええっ! さっそく見に行かなきゃ!」

K「ちょっと、まだ話の途中…」

F「また遊びに来ま~す!」

K(遊びにって…)

 

自転車に飛び乗った二人は、はけの道を東へ一直線。西武多摩川線のガードをくぐれば、都立野川公園の入口だが…

↑急ブレーキ!
↑急ブレーキ!

 

 

 

 

 

キキーッ! 

K「あぶないなあ。こんなに狭いと、人と車は同時に通れませんね」

Fあぶないね

Kあぶないね

 

F「こきんちゃん…」

K「え?」

↑拡大したよ
↑拡大したよ
↑トンネルの天井には無数の傷痕
↑トンネルの天井には無数の傷痕

 

ガードをくぐる手前で左を向くと、線路沿いに上がっていく道が「二枚橋の坂」だ。

↑この坂も、車2台すれ違うのがやっと
↑この坂も、車2台すれ違うのがやっと

 

 

 

 

 

F「あれ? これは…」

K「…二枚橋の坂、ですね」

 

 

↑誰かに外された説明板が、標識のたもとにひっそりと眠っている
↑誰かに外された説明板が、標識のたもとにひっそりと眠っている

 

説明版より

この先の二枚橋には伝説がある。かなわぬ恋のすえ、庄屋の息子と山寺の娘が野川に身を投げ、その霊が大蛇に化□□□□人々を惑わした。これを哀れんだ庄屋が、大木を挽き割り二枚並んだ□□な橋を造って、供養したといわれて□□

この坂は、昔、坂の半ばあたりから東へ二枚橋に通じる道であったので、□□橋の坂と呼ばれるようになり、鉄道□□□□今のような形となった。

 

 

F「伏せ字が多いな」

K「説明板に穴が空いていて読めないだけですよ」

F「おお、ここにはきっと何かいかがわしい言葉が…(ニヤリ)」

K「市の標識にナニを期待してるんですか!」

 

F「まあいいや。坂、上るよ」

K「え? 穴ぼこ見学は?」

F「穴ぼこ?」

K「爆弾の…」

F「ああ」

K「ああ、って…」

F「また今度ね」

K(なんのために富永さん家を飛び出したの…)


 

↑けっこう急勾配です
↑けっこう急勾配です
↑東京電力小金井変電所。いろんな方向に送電線が伸びている
↑東京電力小金井変電所。いろんな方向に送電線が伸びている

 

 

 

 

F「二枚橋の坂の坂中さんと言えば…」

K「…ここでしょうか」

 

 

F「鉄塔萌えにはたまらないね」

K「『鉄塔 武蔵野線』ですか」

F「わりと古いね」

K「あんたに言われたくないよ」

F映画はよかったな」

 

F「坂を登りきると、線路をまたぐ「いちご橋」です」

K「東町1丁目と5丁目を結んでいるので、この名前なんですね」 

F「ふん!」

K「なに怒ってんですか」

 

↑いちご橋には…
↑いちご橋には…
↑…いちごのレリーフがある
↑…いちごのレリーフがある

 

F「ベタだね」

K「自分もベタなくせに」

 

F「じゃあ、早押しクイズね」

Kじゃあって何よ?」

F「小金井市で一番古い駅はど~れだ? 1番、武蔵小金井、2番、東小金井」

K「ええと、1番!」

F「ブッブー、ざんね~ん! 正解は3番、新小金井駅でした」

K「質問がおかしいよ!」

F「では、スーパーこきんちゃんは没収です」

K「スーパー!?

 

西武多摩川線は、1917年に境(今の武蔵境)から北多磨(今の白糸台)までが多摩鉄道として営業開始した。このとき、同時に新小金井駅も開業している。市内で一番古いのに「新」小金井駅なのは、当時、すでに栃木県に「小金井」駅があったからだ。 

 

↑京都の伏見稲荷的景観。鳥居がずらっと並んでいるみたい
↑京都の伏見稲荷的景観。鳥居がずらっと並んでいるみたい

 

F「新小金井駅が1917年開業だから、この切り通しも、ずいぶん古いことになるね」

K「線路脇の建物も、どことなく昭和の香りがします」

F「さて、下りますか」

K「え、来た道を戻るんですか?」

F「ちゃうちゃう。線路を渡るんや」

K「(なぜ関西弁?)でも、二枚橋の坂が、小金井で一番東の端っこの坂でしょ?」

F「ふっふっふっふっ…」

K(いったい何を…)

 

●次号「二枚橋の坂×2=四枚橋の坂?」に続く。

 

次号予告:

ICUに戦争の傷跡を見た!(かもしんない)
ICUに戦争の傷跡を見た!(かもしんない)

※このシリーズでは、★★★★★を満点に毎回坂を適当に採点していきます。項目は適当に変わることがあります。

 

■二枚橋の坂

すれ違い度 ★

いかがわしい度 ★★★★★

鉄道度 ★★★★★

鉄塔度 ★★★★★

抜け道度 ★★★

 


より大きな地図で 二枚橋の坂 を表示

 11月8日(日)

  第73号の主な内容

(随時更新されます)

《市政の焦点》

■12月小金井市長選特集

☆白井とおる市議が立候補表明(2015年11月8日更新)

 

☆白井市議の立候補記者会見に40人以上の市民が参加(2015年11月8日更新)

 

☆4陣営の対決構図に 財政健全化への具体策が焦点(2015年11月8日更新)

 

≪酒好きのたわごと≫

その15 越後の酒と謙信(2015年10月17日更新)

  うれしいニュース!

 公益社団法人「全国学校図書館協議会」が発行している「としょかん通信」(中・高校生版)2015年6月号の《今月のブックトーク》に『まちの力 ひとの力 ――変える 試みる 小金井の人たち』がとりあげられました。

 1人でも多くの中学生、高校生にこの本を読んでもらえたら、と思います。感想文も送ってもらえると、とってもうれしいですね。

 以下にその部分を貼り付けました。筆者は、ほそえさちよさんという子どもの本の編集者だそうです。タイトルは、「生きるために つながる」。

写真をクリックすると大きくなります
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全体はこちらから
としょかん通信「今月のブックトーク」.pdf
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こがねいコンパスのインタビューシリーズ《変える 試みる 小金井の人たち》をまとめた本『まちの力 ひとの力』が図書出版クレインから刊行されています。ウェブ版では読めない、取材秘話などを明かす4本の「エピローグ」と、やまさき薫さんの素敵なイラスト付き。定価1500円+税です。市内の各書店でお買い求めください。クレインでも注文できます。

毎月第1・第3土曜日が定期発刊日です。こがねいコンパスは市民のための羅針盤を目指し、市民とともにつくる地域メディアです。ご意見・ご感想・情報提供などを、koganeicompass@gmail.comへおねがいします。

詳しくはイベントカレンダーのページをご覧ください。こちらから。

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小金井市のイベント情報は、小金井市地域情報サイトのさきナビでも見ることができます。バナーをクリックしてください。

 この人に聞く

脱原発社会への道筋を探る

民間の英知を結集して「脱原子力政策大綱」をまとめる「原子力市民委員会」の舩橋晴俊座長。

前編はこちらから。

後編はこちらから。

*船橋晴俊さんは2014年8月15日、くも膜下出血で急逝されました。ご冥福をお祈りするとともに、船橋さんの思いを少しでも多くの方に知って頂きたいと願っています。(編集長・佐藤和雄)

 

「敗北」を語る

民主党小金井支部幹事長

村山秀貴さん

前編はこちら

後編はこちら

 

イラクから問い続けてきたもの

映画監督・鎌仲ひとみさん

こちらから

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コンパスは「羅針盤」です!

 

 『こがねいコンパス』は、小金井市政や小金井の人たちが関心をもつテーマを分かりやすくお伝えするインターネット新聞です。市民団体「こがねいコンパス編集部」が発刊しています。

 

 『コンパス』は、羅針盤を意味します。辞書によれば原義は「ともに歩くこと」です。市民が市政をより深く理解するための一助となり、よりよい小金井市政のあり方を考えるときの羅針盤でありたい。市民のみなさんと一緒に歩んでいきたい。そんな思いを込めています。

 

 

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