シンスケの行政学道場 バックナンバー

第1回 「地方自治の本旨」って何?

伊藤シンスケです。「こがねい行政学道場」の第1回。少し堅苦しい話かもしれませんが、どうぞお付き合いください。

 

 さて、私たちが「地方自治」を考える時、何をよりどころに考えれば良いのでしょうか?

日本国憲法は第8章に「地方自治」を設け、その中の第92条にこのような規定があります。

 「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める」

 

 この第92条に基づき、「地方自治法」をはじめとする地方自治体(法的な正式名称は地方公共団体ですが、ここでは地方自治体と呼びます)に関する法律が制定されました。

 そこで地方自治法の第1条を見てみると、こう書いてあります。

「この法律は、地方自治の本旨に基づいて、地方公共団体の区分並びに地方公共団体の組織及び運営に関する事項の大綱を定め、併せて国と地方公共団体との間の基本的関係を確立することにより、地方公共団体における民主的にして能率的な行政の確保を図るとともに、地方公共団体の健全な発達を保証することを目的とする」

 

 このように地方自治のあるべき姿の起点は、日本国憲法、地方自治法において「地方自治の本旨に基づいて」という明文によって確認されます。

 

 ところが悩ましいのは、その「地方自治の本旨」の内容については憲法や基本自治法では、具体的には触れてはいないのです。

 地方自治体によって文化・経済・自然環境は異なり、かつ抱えている問題や住民意識も異なります。この前提で「地方自治の本旨」を考えると、個々の自治体自らが考える地方自治体の在るべき基本理念の構築が必要になります。

 

 そのような中で、地方自治の本旨の実現に向けて作られたのが「自治基本条例」なのです。

 自治基本条例(まちづくり基本条例)が全国で最初に制定されたのは北海道のニセコ町です。2001年4月に施行されました。(当時、町長だった逢坂誠二さん《在任期間1994~2005年》は、2005年から衆議院議員です)。

 ニセコ町の自治基本条例では、基本理念として「情報共有」と「住民参加」を車の両輪に同じと考えています。

 

 まず、「情報の共有」を見てみましょう。

 情報公開条例、個人情報保護条例が制定され、施策、その他の制度としては、文書管理システム(ファイリングシステム)、予算説明書「もっと知りたいことしの仕事」、広聴箱、「私の意見」、メディアミックスによる情報発信( 広報「ニセコ」、ニセコそよかぜメール、ニセコ町公式ホームページ、携帯版ニセコ町公式ホームページ)、広報広聴検討会議等があります。

 

 次に「住民参加」です。

 まちづくり町民講座、まちづくり委員会(大人、小・中学生)、こども議会、まちづくりトーク、まちづくり懇談会、事業別検討会議、コミュニティ支援制度(補助制度)、各種委員公募などがあります。

 基本理念に該当する施策の策定や条例が制定されており、ニセコ町のHPでは、町のあるべき姿とその方向性が分かりやすい形で掲載されています。

 

 ニセコ町の自治基本条例は、条例制定後住民の意識も高まり、自治体関係者からは成功事例として取り上げられることが多いのです。

 人口が5千人弱の小さな町だから情報の共有化が図られ易く、様々な施策の実現に結びついたという感は否めません。

 しかし、どの自治体においても理念なくして、「地方自治の本旨」の実現はあり得ないと思いませんか?

 

 そして、市政の停滞が続いてきたと言われる小金井市の「自治の理念」は何でしょう。改めて市民一人ひとりで考え、話し合う必要があると思いませんか?

第1回の「補講」です

●近代的地方自治の原則には「住民自治」と「団体自治」があり、この原則に従い地方自治を行う事が本旨の実現に向かうことだと理解されています。

 この場合の、「住民自治」とは文字通り、一定の地域内のおける行政が、その地域の住民自身によって行われることを指し、「団体自治」とは、国家内の一定地域を基礎とする団体が、国から独立した人格をもって、自主的に地域の公共事務を処理することを指す(この団体が地方自治体です)。

 

●「自治基本条例」は法的には他の条例と対等ですが、個別の地方自治体の基本理念を謳い、その基本理念に沿って施策の方向付けがなされていることから、「自治体版憲法」という位置づけになっています。

 

●「自治基本条例」という名称ではなく「市民参加条例」や「協働条例」といった条例の条文の中に地方自治体の基本理念が組み込まれていることから、自治基本条例を制定していない自治体もあります。

 小金井市でも、自治基本条例は制定されていませんが、類似の条例に小金井市市民参加条例があり、条文の中に、情報公開(第6条、第7条)、協働(第24条、第25条)、市民参加推進会議(第26条-第30条)などが盛り込まれています。

 11月8日(日)

  第73号の主な内容

(随時更新されます)

《市政の焦点》

■12月小金井市長選特集

☆白井とおる市議が立候補表明(2015年11月8日更新)

 

☆白井市議の立候補記者会見に40人以上の市民が参加(2015年11月8日更新)

 

☆4陣営の対決構図に 財政健全化への具体策が焦点(2015年11月8日更新)

 

≪酒好きのたわごと≫

その15 越後の酒と謙信(2015年10月17日更新)

  うれしいニュース!

 公益社団法人「全国学校図書館協議会」が発行している「としょかん通信」(中・高校生版)2015年6月号の《今月のブックトーク》に『まちの力 ひとの力 ――変える 試みる 小金井の人たち』がとりあげられました。

 1人でも多くの中学生、高校生にこの本を読んでもらえたら、と思います。感想文も送ってもらえると、とってもうれしいですね。

 以下にその部分を貼り付けました。筆者は、ほそえさちよさんという子どもの本の編集者だそうです。タイトルは、「生きるために つながる」。

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全体はこちらから
としょかん通信「今月のブックトーク」.pdf
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こがねいコンパスのインタビューシリーズ《変える 試みる 小金井の人たち》をまとめた本『まちの力 ひとの力』が図書出版クレインから刊行されています。ウェブ版では読めない、取材秘話などを明かす4本の「エピローグ」と、やまさき薫さんの素敵なイラスト付き。定価1500円+税です。市内の各書店でお買い求めください。クレインでも注文できます。

毎月第1・第3土曜日が定期発刊日です。こがねいコンパスは市民のための羅針盤を目指し、市民とともにつくる地域メディアです。ご意見・ご感想・情報提供などを、koganeicompass@gmail.comへおねがいします。

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 この人に聞く

脱原発社会への道筋を探る

民間の英知を結集して「脱原子力政策大綱」をまとめる「原子力市民委員会」の舩橋晴俊座長。

前編はこちらから。

後編はこちらから。

*船橋晴俊さんは2014年8月15日、くも膜下出血で急逝されました。ご冥福をお祈りするとともに、船橋さんの思いを少しでも多くの方に知って頂きたいと願っています。(編集長・佐藤和雄)

 

「敗北」を語る

民主党小金井支部幹事長

村山秀貴さん

前編はこちら

後編はこちら

 

イラクから問い続けてきたもの

映画監督・鎌仲ひとみさん

こちらから

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 『コンパス』は、羅針盤を意味します。辞書によれば原義は「ともに歩くこと」です。市民が市政をより深く理解するための一助となり、よりよい小金井市政のあり方を考えるときの羅針盤でありたい。市民のみなさんと一緒に歩んでいきたい。そんな思いを込めています。

 

 

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